胎児の相続 杉並区 | 行政書士中村光男事務所

民法は、まだ生まれていない子ども(胎児)にも、相続人の地位を認めています(民法886条1項)。胎児は相続においてはすでに生まれたものとして扱われるため、胎児も、遺産分割、代襲相続、相続放棄が可能です。

「胎児を相続人とする」意味

本来、相続は「同時存在の原則」に基づいて行われます。

相続は、相続人の死亡によって開始する(民法882条)ので、相続の原則は、被相続人が死亡したときに相続人は生きている必要があります(「同時存在の原則」)。

この「同時存在の原則」の例外が、「胎児は、生まれたときに相続権を取得する(民法886条)。」という規定です。

この理由は、胎児は、生きて生れてくる蓋然性が高いので、胎児を相続人から外すのは不公平と考えらえるからです。

親は胎児の代理人になれない

しかし、親は胎児の代理人として決定権を持つことができません。

例えば、母親が胎児の代理人として遺産分割協議に参加すると、母親の利益を優先した内容で協議を成立させてしまう可能性があります。

そのため、胎児の利益を守るためには、特別代理人を選任する必要があります。

※民法826条

(利益相反行為)
第826条親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。

親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その1人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。

特別代理人は、母親や胎児と利害関係のない第三者(相続人でない親族や弁護士など)が選任されます。特別代理人は、胎児の利益のために、遺産分割協議に参加することができます。

遺産分割協議はいつ行うか?

民法は胎児に相続権を認めていますので、未成年者の場合と同様、胎児に対して特別代理人を選任させることで遺産分割協議を進めることは可能です。

しかし、胎児が死産だった場合には、胎児は相続人として扱われません。

そのため、遺産分割協議を急ぐ特段の事情がない限りは、出生後に特別代理人を選任し、協議をすることが望ましいと考えられています。

判例と登記実務の違い

理論的には、判例は、胎児の権利は「停止条件説」に立っています。停止条件説とは、胎児は出生するまでは権利能力がなく、出生することで権利能力を取得するという考え方です。

一方、胎児について、解除条件説という考え方もあります。解除条件説とは、胎児は出生する前から相続する権利があり、死産となったときにだけ、相続開始のときにさかのぼって相続する権利がなかったとする考え方です。不動産登記実務では、胎児名義の登記手続きも認められていますが、それは解除条件説の考え方に基づくものです。

まとめ

胎児の相続に関する手続きは、複雑で専門的な知識が必要となります。もし、胎児が相続人となる可能性がある場合は、行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。

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