在留期間更新許可申請の手続き/杉並区の行政書士が解説

配偶者ビザの更新、技術・人文・国際業務のビザの更新などはどうすればいいのでしょうか?

外国人が日本に入国・在留して従事することができる活動又は入国・在留できる身分又は地位は、「在留資格」というメニュー化がなされており、現在38種類のメニュー(在留資格)があります。許可される在留期間は在留資格ごとに決まって今います。

この在留期限が迫っているとき、原則として期限の3か月前から期限までの間に、在留期間更新許可申請をしなければばなりません。杉並区の行政書士が解説します。

在留期間の更新(入管法第21条)とは

在留期間の更新について法務省のHPでの説明の仕方は、以下のようなものです。

「在留資格を有して在留する外国人は、原則として付与された在留期間に限って我が国に在留することができることとなっているので、例えば、上陸許可等に際して付与された在留期間では、所期の在留目的を達成できない場合に、いったん出国し、改めて査証を取得し、入国することとなると外国人本人にとって大きな負担となります。

そこで、入管法は、法務大臣が我が国に在留する外国人の在留を引き続き認めることが適当と判断した場合に、在留期間を更新してその在留の継続が可能となる手続を定めています。

在留期間の更新を受けようとする外国人は法務省令で定める手続により、法務大臣に対し在留期間の更新許可申請をしなくてはなりません。」https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/koushin_00001.html

在留期間の更新を受けない場合

在留期間の更新を受けないで、在留期間を経過して日本に在留する外国人は、退去強制事由(不法残留)に該当するほか、不法残留罪(3年以下の懲役等)になります(入管法第24条④ロ、第70I⑤)。

手続き方法

<申請書類提出者(=更新された在留カードの受取人)>

⓵日本で在留資格の変更を希望する外国人本人
②申請人本人の法定代理人(親権者、未成年後見人、成年後見人)
③申請取次者(注)

(注)取次者
a.地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士で、申請人から依頼を受けたもの
b.地方出入国在留管理局長から申請等取次者としての承認を受けている次の者で、申請人から依頼を受けたもの
申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員
申請人が研修又は教育を受けている機関の職員
外国人が行う技能、技術又は知識を修得する活動の監理を行う団体
外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員

<申請場所>

申請人の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署

<申請時期>

3か月前から申請が可能です。なお、3か月以内の在留期間をもっている人は、その在留期間のおおむね2分の1以上経過したときから申請が可能です。

<審査期間>

2週間~1か月。

<結果の通知方法>
許可の場合 通知書の郵送をもって通知となります
不許可の場合 不許可通知書の郵送をもって通知となります。

通知は、一見して「許可」か「不許可」かはわかりません。指定された入管に出向いてはじめて分かります。
ただし、「普通郵便で来たはがき」「印紙を持ってくるように書いてあるはがき」は許可の可能性が高いです。一方、「書留郵便のはがきや封書で来た場合」「現金を持ってくるように書いてあるはがき」は不許可の可能性が高いと言われています。

<許可を受ける者>

申請書類提出者と同じです。

<許可を受ける場所>

申請した地方出入国在留管理局

<許可を受ける方法>

通知書、パスポート、在留カード、手数料納付書に収入印紙4,000円を貼付して、指定された地方出入国在留管理局に提出します。

現在の在留カードは失効し、新しい在留カードの交付を受けます。新たな在留カードに新たな在留資格と在留期間が記載されるので確認します。

<在留期間の特例>

在留カードを所持している外国人が、在留期間更新許可申請(在留資格変更許可申請も同様)を行った場合に、当該申請に係る処分が在留期間の満了の日までになされないときの特例です。

当該処分がされる時又は在留期間の満了の日から2か月経過日のいずれか早い時までの間は、引き続き従前の在留資格をもって我が国に在留できるという特例です。したがって、2か月経っても、処分がおりない場合は不法残留となってしまいます。

在留期間更新中のパスポートの扱い

在留期間の更新申請中、地方出入国在留管理局等が申請者のパスポートを保管することはありません。したがって、在留期間の更新申請中でも、再入国許可(みなし再入国許可を含みます。)により出入国することができます。しかし、在留期間の更新申請後に再入国許可(みなし再入国許可を含みます。)により出国した場合は、在留期限から2か月を経過する日までに再入国して、在留期間の更新申請の処分を受ける必要があります。

<結果の通知方法>

なお、これらの外国人が、在留期間更新許可申請等を行った場合、在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に申請中であることが記載されます。

当該記載については、申請に係る処分がされた場合又は取下げがあった場合に抹消手続を行います。

抹消手続が行われていない場合は、在留期間の満了日が経過したときであっても申請中の記載が残ったままとなるため、在留カードの有効性を正確に確認するためには、「在留カード等番号失効情報照会」のシステムがあります。

在留カード等番号失効情報照会ページ:https://lapse-immi.moj.go.jp/

審査基準

在留期間の更新は、入管法により、法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可することとされています。

相当の理由があるか否かの判断は、法務大臣の自由な裁量に委ねられ、申請者の行おうとする活動、在留の状況、在留の必要性等を総合的に勘案して行われます。

ということではありますが、審査基準のガイドラインは、出入国在留管理庁のHPで公開されています。その概要は以下のとおりです。

なお、社会保険の加入促進のため、申請時に保険証の呈示が求められますが、今のところ、保険証の呈示がなくても不許可にはなりません。

許可する際に必要な要件 1 【在留資格該当性】行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること
原則として適合していることが求められる要件 2 【上陸許可基準】法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること
※参考コラム https://mnakamura.net/archives/1285
適当と認める相当の理由があるか否かの判断に当たっての代表的な考慮要素 現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと
素行が不良でないこと
独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
雇用・労働条件が適正であること
納税義務を履行していること
入管法に定める届出等の義務を履行していること

参考 出入国在留管理庁在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン

まとめ

在留期間の更新は、締め切りがあるので、早めの準備が必要です。また、技術・人文・国際業務の在留資格で滞在中に、在留資格認定証明書をとらないで転職(転社)した場合などは、期間更新の申請の際に、在留資格該当性をしっかり審査されます。不安な点があれば、早めに出入国在留管理局や、行政書士などの専門家にご相談ください。

また、出入国在留管理庁のHPに、各言語での許可ガイドラインの案内もありますので、参考にしてください。

サイト管理者の杉並区の行政書士中村光男です。ホームページにもお立ち寄りください。

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