日本にいる外国人の就職・転職・起業のときどうする?/杉並区の行政書士が解説

在留資格を持っている外国人が転職、起業、結婚、離婚、死別などにより、現在の在留目的が変わってしまうときどうするのでしょうか。このとき、速やかに在留資格変更許可の申請をしないと不法滞在や不法就労になりかねません。杉並区の行政書士が解説します。

在留資格変更手続きの概要

【変更申請が必要な例】
●日本の大学や専門学校に留学中の外国人が、引き続き日本で就職活動を行う場合。
 ⇒ 在留資格「留学」を在留資格「特定活動」に変更

●日本に留学中の外国人が、日本で、「技術・人文・国際業務」の就職先が見つかった場合。
 ⇒ 在留資格「留学」を就労系の在留資格「(例)技術・人文・国際業務」へ変更

●技術・人文・国際業務の在留資格で日本企業で働いていた外国人が、仕事を辞めて日本の大学に入学したい場合。
 ⇒ 在留資格「技術・人文・国際業務」を在留資格「留学」へ変更

●技術・人文・国際業務の在留資格で日本企業で働いていた外国人が、仕事を辞めて起業したい場合。
 ⇒ 在留資格「技術・人文・国際業務」を在留資格「経営・管理」へ変更

●日本人の配偶者等の在留資格で日本に滞在している外国人が、日本人配偶者と死別や離婚をしたが、日本に住みつづけたい場合。
 ⇒ 在留資格「日本人の配偶者等」を在留資格「定住者」に変更

在留資格変更許可申請の具体的な手続き

【手続きの意味】

いずれかの在留資格で在留している外国人の方が、在留目的とする活動を変更して別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合に、新しい在留資格に変更するために行う申請です。根拠法は、出入国管理及び難民認定法第20条です。

【申請書類提出者】

⓵日本で在留資格の変更を希望する外国人本人
②申請人本人の法定代理人(親権者、未成年後見人、成年後見人)
③申請取次者(注)

(注)取次者
a.地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士で、申請人から依頼を受けたもの
b.地方出入国在留管理局長から申請等取次者としての承認を受けている次の者で、申請人から依頼を受けたもの
-申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員
-申請人が研修又は教育を受けている機関の職員
-外国人が行う技能、技術又は知識を修得する活動の監理を行う団体
-外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員

【申請場所】

申請人の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署

【申請時期】

変更の事由が生じたときから在留期間満了日以前とされています。
すなわち、日本での活動内容が現在の在留資格で認められる活動に該当しなくなったとき、あるいは該当しなくなるときは、速やかに申請します。これ以外の場合は、在留資格の変更を希望するときに申請します。もちろん、在留資格期間満了日以前であることが必要です。

【審査期間】

出入国在留管理庁(ISA)のHPでは、2週間から1か月とされています。

【結果の通知方法】

●許可の場合 ⇒通知書の郵送をもって通知となります。
●不許可の場合 ⇒ 不許可通知書の郵送をもって通知となります。

通知は、一見して「許可」か「不許可」かはわかりません。指定された入管に出向いてはじめて分かります。
ただし、「普通郵便で来たはがき」「印紙を持ってくるように書いてあるはがき」は許可の可能性が高いです。一方、「書留郵便のはがきや封書で来た場合」「現金を持ってくるように書いてあるはがき」は不許可の可能性が高いと言われています。

<通知はがき例 現金を持ってくるように記載されているので不許可と思われる>

【許可を受けるもの(処分時の在留カードの受領者)】

申請書類提出者と同じです。
・外国人本人
・法定代理人
・申請取次者

【許可を受ける場所】

申請した地方出入国在留管理局

【許可を受ける方法】

通知書、パスポート、在留カード、手数料納付書に収入印紙4,000円を貼付して、指定された地方出入国在留管理局に提出します。

現在の在留カードは失効し、新しい在留カードの交付を受けます。新たな在留カードに新たな在留資格と在留期間が記載されるので確認します。

【在留資格変更許可の効力許可発生時期】

在留資格の変更許可の効力は許可を受けたとき(=新たな在留カードを申請者が受領したとき)に発生します。
従って、在留資格変更許可を受けるまでは、従来の在留資格に応じた活動をする必要があります。
変更許可後に、はじめて新たな活動ができることになります。

例えば、「留学」の在留資格から「技術・人文・国際業務」への在留資格変更許可申請をした場合、新たな在留カードを受領するまでは、原則として就労できません。

【在留期間の特例】

在留カードを所持している外国人が、在留資格変更許可申請(在留期間更新許可申請も同様)を行った場合に、当該申請に係る処分が在留期間の満了の日までになされないときの特例です。

当該処分がされる時又は在留期間の満了の日から2か月経過日のいずれか早い時までの間は、引き続き従前の在留資格をもって我が国に在留できるという特例です。したがって、2か月経っても、処分がおりない場合は不法残留となってしまいます。

なお、これらの外国人が、在留期間更新許可申請等を行った場合、在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に申請中であることが記載されます。

当該記載については、申請に係る処分がされた場合又は取下げがあった場合に抹消手続を行います。

抹消手続が行われていない場合は、在留期間の満了日が経過したときであっても申請中の記載が残ったままとなるため、在留カードの有効性を正確に確認するためには、「在留カード等番号失効情報照会」のシステムがあります。

在留カード等番号失効情報照会ページ:https://lapse-immi.moj.go.jp/

【在留資格の取消】

入管法22条の4(6)では、「当該在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合(正当な理由がある場合を除く)」は、法務大臣は外国人の在留資格の取消ができるとされています。このため、在留資格の活動内容に変化があった場合は、速やかに在留資格変更許可申請が必要です。

在留資格変更許可申請を行政書士に依頼した場合の手続きの流れ

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