■昨日のコラム「建設業許可 経営能力に関する基準の見直し」で触れたように、建設業の許可の要件の一つである、「経営能力」について、2020年10月以降の新しい基準は、次のようになっています。
(許可の基準)
第七条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
一 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であること。
建設業に関する経営体制を有する者(aおよびbをともに置く者)
a 常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者
(1)建設業に関し2年以上役員等としての経験を有し、この期間と合わせて建設業に関し5年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者としての経験を有する者
(2)建設業に関し2年以上役員等としての経験を有し、この期間と合わせて5年以上役員等としての経験を有する者
b aを直接に補佐する者で、財務管理・労務管理・業務運営の業務経験を有する者
■このようなルールの下で、次のようなA電気株式会社(B代表)が、一般建設業・電気工事の許可申請を行うにあたり、建設業法施行規則第7条第1号のa(1)に該当することを証明するにはどうしたらいいでしょうか。
・A電気株式会社は、2010年4月1日に設立以来、主に電気工事を行ってきた。今まで400万円以上の工事を請け負ったことはない。
・B代表取締役は、A社設立以来、電気工事に事業に携わってきた。他の会社の役員等は兼任しておらず、A社に常勤している。
・A社設立以来、現在に至るまで、請負工事契約書など、工事経歴を示す許可申請に必要な資料はすべて保管している。
■東京都の2022年8月現在の、「建設業許可の手引き」に準拠すると、以下のような書類が必要となります。
(1)常勤役員等証明書 p40 ⇒具体的にはこのPDFのような内容です。 PDF
(2)略歴書 p44 ⇒ PDF
(3)申請日現在での常勤性を確認できる資料 55p
(個人)他の事業者の社会保険へ加入していないことの証明として以下1~2
1.保険証の写し(氏名、生年月日のわかる有効期限以内のもの)
2.直近決算の個人確定申告書の写し(第一表、第二表(原本提示又はメール詳細の添付))
(法人)申請会社における社会保険への加入の証明として以下1~2
1.保険証の写し(氏名、生年月日、事業所名の分かる有効期限以内のもの)
2.保険証に事業所名が印字されていない場合は、その他申請者への所属の分かる資料(※)
(※)・健康保険・厚生年金被保険者に関する標準報酬決定通知書(原本提示)
・資格取得確認及び標準報酬決定通知書(原本提示)
・住民税特別徴収税額通知書(徴収義務者用)(原本提示)
・(新規に認定する者に限り)特別徴収切替届出(受付印のあるもの)(原本提示)
・直近決算の法人用確定申告書の写し(表紙、役員報酬明細(及びメール詳細))(原本提示)
※申請会社において役員として一定額の役員報酬を得ていることを証する必要がある。
・厚生年金記録照会回答票(原本提示)
・(新規に認定する者に限り)資格取得届(受付印のあるもの)又はその通知(原本提示)
・健康保険組合等による資格証明書(申請会社への在籍を証明するもの)(原本提出) ほか
(4)申請日現在において常勤役員等の地位にあることを示す資料 p55
申請時点において、法人にあっては取締役又は権限を委譲された執行役員、個人にあっては事業主又は支配人である必要があります。
■確認資料
(法人)役員であることを示す発行日が3か月以内の登記事項証明書(「役員に関する事項」の分かる履歴事項証明書等)又は権限移 譲を受けた執行役員等であることを示す資料(株主総会や取締役会の議事録等)
(個人)他の事業者に在籍せず、事業主であったことを示す資料(個人確定申告書の写し)
(5)経営等の経験について確認できる資料
1.建設業に関し5年以上、役員であったことを示す登記事項証明書(「役員に関する事項」の分かる履歴事項証明書等)
※ 個人にあっては、他の事業者に在籍せず、事業主であったことを示す資料(個人確定申告書の写し)
2.証明期間において、建設業を経営していたことを証明する資料
ア 証明期間において、建設業許可を有していた場合⇒建設業許可通知書又は受付印の押印された建設業許可申請書・変更届・廃
業届等の写し
イ 証明期間において、建設業許可を有していなかった場合⇒期間通年分の建設業に関する工事請負契約書・工事請書・注文書
(原本提示)や請求書等の写し等(各地の手引きによっては、各工事間に1年以上の間隔がないことなどの条件が記載されているものありますが、東京都版には記載がないようです)
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