
日本での在留資格がない外国籍の方が、日本人と国際結婚をした場合、その外国籍の配偶者がすぐに日本で一緒に生活できるとは限りません。
では、まだ海外にいる配偶者を「扶養家族」として扱うことはできるのでしょうか。今回は健康保険・年金と、所得税の配偶者控除に分けて整理します。
健康保険・年金の扶養
会社員が配偶者を扶養に入れるには、勤務先を通じて健康保険組合に届け出ます。
ただし条件として配偶者が国内に居住していることが必要です。
そのため、海外にいる段階では被扶養者になれません。
奥様が在留資格を取得し、日本に住民登録をしてから初めて手続きが可能です。
なお、健康保険の扶養に入れば、自動的に年金(国民年金第3号被保険者)の対象にもなります。
所得税の配偶者控除
一方、所得税の配偶者控除は少し事情が異なります。
条件は次の2点です。
- 同一生計であること
- 配偶者の年間収入が85万円以下(給与所得者は150万円以下)であること
この場合、配偶者が海外に住んでいても申請できます。
ただし、「同一生計」であることを示すために、仕送りの記録や送金証明を求められることがあります。
控除の申請は年末調整で行います。年末の時点で同一生計かどうかが判断されるため、海外にいても証明ができれば認められる可能性があります。
ただし、その年の配偶者の収入が基準額を超えている場合は控除を受けられません。
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