取締役会議事録の印鑑は実印でないといけないのか?

取締役会議事録を登記申請に添付する場合(代表取締役の選任などのケース)は、法務局届出印や実印で押印する必要がありますが、それ以外の場合は実印である必要はありません。

取締役会決議とは

会社法は、「取締役会議事録が書面のときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない」と定めています。

会社法(取締役会の決議)

第369条 取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行う。
2 前項の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。
3 取締役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
4 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
5 取締役会の決議に参加した取締役であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。

取締役会議事録の主な記載事項

取締役会議事録の記載事項は、会社法施行規則101条で以下のように決められています。

取締役会議事録の記載事項会社法施行規則101条

・取締役会が開催された日時・場所
・議事の経過と結果
・特別な利害関係がある取締役がいるときは、その取締役の氏名
・出席役員・株主の氏名
・議長の氏名
・出席取締役・監査役の署名・記名押印(会社法369条3項) 等

取締役会議事録が、会社の登記に必要となる場合

まず、会社関係で登記が必要なのは主として以下のようなケースです。このうち、役員変更登記や増資の登記等では、必要書類に取締役会議事録が含まれることがあります。不適切な議事録を作成して、登記ができなくなると大変ですので、ケースごとに、法務局や司法書士に相談しながら進めましょう。

なお、会社・法人の登記においては,登記すべき期間が法令で定められています。例えば,株式会社の役員変更登記の場合,登記の事由が発生した時から,本店の所在地において,2週間以内にしなければならないとされています(会社法第911条)。
登記すべき期間内に登記を怠り,その後に登記申請をする場合であっても,そのことだけをもって申請が却下されることはありませんが,会社・法人の代表者に対して,裁判所から100万円以下の過料に処される可能性がありますので、注意が必要です。

取締役会の議事録への役員の印は実印か?

【原則】会社法369条3項は、「・・出席した取締役及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない・・」とありますので、署名か認印で大丈夫です。

【例外】取締役会決議で代表取締役を選定する場合には、出席取締役及び監査役の実印と印鑑証明書が必要になります。

【例外の例外】
ただし、前の代表者が権限を持って出席して、会社届出印を押印した場合は、出席した役員は認印で良いので印鑑証明書は不要となります。
例えば、取締役が甲さん、乙さん、丙さんで、代表取締役が甲さんであるときに、取締役会で取締役乙さんを代表取締役に選定する場合、取締役甲さんが届出印を押印していれば、取締役乙さん,丙さんは認印で大丈夫です。

 【根拠】代表取締役を取締役会で選任する場合の取締役会議事録の書き方(法務局資料8頁の注ご参照)

取締役会の途中で退出した取締役・監査役の署名義務は?

このようなときの規定はありませんが、会社法で署名又は記名・押印を求めている趣旨は、署名又は記名押印をすることで、取締役・監査役が取締役会に出席したことを明らかにすることにありますので、取締役会の途中で退出した場合にも出席したことは確かなので、途中退出の取締役・監査役にも署名又は記名押印が必要であると解されています。

取締役会の決議に異議をとどめない場合

取締役会議事録に異議をとどめないものは、取締役会におけるその決議に賛成したものと推定されます(会社法369条5項)。したがって、取締役が決議に反対した場合には、取締役会議事録に異議をとどめた旨を記載しなければなりません。

 取締役会議事録の作成ができる専門家は?

議事録の作成は、行政書士の業務範囲となっています。ただし、行政書士は登記に係ることはできません。

参考 東京都司法書士協会https://www.tokyokai.jp/shoshi/company.html

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