■ファイアー(早めにリタイアして金融資産からの収入+年金等で生活すること)が流行語になって久しいですが、一番現実的なのは、65歳になったときに、退職金を加えた貯蓄で、その後の長い生活費用が賄えるだろうか?という疑問ではないでしょうか。この問題を検討するためには、退職時から100歳までの支出総額と収入総額の見込みを計算する必要があります。
■この計算をエクセル等で自分で組み立てるのは面倒ですが、インターネット上の無料サイトでは様々便利なツールがあります。
1.明治安田生命 「老後資金の収支診断」 https://www.my-kaigo.com/pub/individual/rougo-fuan/rougo-shindan/
無料サイトが色々ある中で、私が使ってみて、入力しやすく、前提条件を変更するのも簡単なサイトが、明治安田生命の「人生100年時代! 安心な老後を送るための生活設計を考えてみませんか。「老後資金の収支診断」」でした。
このサイトは、会員登録も不要ですし、詳細版ですとかなり細かく条件を設定できます。
また、例えば、介護費用・葬式やお墓代・リフォームなどについては、平均的な支出額が吹き出しで、確認しながら入力できるのも、なかなかの機能です。
入力項目で不明なもの、例えば、65歳時点で、どの程度の金融資産を有しているかなどは、シミュレーションのため、まずは適当な金額を入れておき(例えば2000万円とか)、一度最後まで入力した後で、結果を見てまた、遡って修正入力したりできます。このような作業をすることで、65歳に必要な金融資産の金額について具体的なイメージがつかめるかと思います。
注意点としては、①退職後の収入や年金受給額の見込みは、額面から15%程度差し引いてお実際の手取り額を入力すること。 ②固定資産税や不定期のレジャー代、季節の交際費などは入力項目がないので、毎月の生活費にならして織り込んでおくこと 等でしょうか。
2.大和アセットマネジメント 「人生100年時代シミュレーション」https://www.daiwa-am.co.jp/special/100years/
このサイトでは、定年時の金融資産を毎月取り崩して消費した場合、何年で、資産が0円になるまで何年かかるかが試算できます。
また、1.の明治安田生命のサイトと同様に、数字については入力する際の参考として、平均的な統計値が記載されているので、入力もしやすいものです。
このサイトで計算すると、例えば、65歳時の3000万円の金融資産を、利回り3%で運用しながら、毎月13万円を取り崩すと、資産は88歳9か月(28年9か月後)まで持ちます。
一方、同じ条件で、利回りが0%であれば、3000万円は19年と3か月で0円となります。
こういった目安が分かると、自分の状況に応じた貯蓄目標の設定に役立つと思います。