高齢化社会です。2020年度の調査では、65歳以上の方の6人に1人が痴ほう症とも推計されています。次のような不安を抱える方もいらっしゃるかと思います。
●何かあったときに頼れる人がいないのは心細い
●身体が不自由になってきたとき、金銭の管理や支払いができなくなったら困る
●緊急入院した時、手続きや医療費の支払いが自分でできなかったらどうしよう
●判断力が低下してきたことに誰かに気づいてもらいたい
●判断力がおぼつかなくなったとき、信頼できる方に後見人として契約や財産管理をしてほしい
●身内に迷惑をかけて面倒を見てもらうよりは、専門家にお願いしたい
この様な不安を払しょくするのに役立つ手立ての一つとして、専門家に相談して契約法的な準備をするのは有意義なことです。そのための、生前6点セットをご紹介します。
①遺言公正証書
遺言は、遺言者自らが、自分の残した財産の帰属を決め、相続をめぐる争いを防止しようとすることに主たる目的があります。
②財産管理等委任契約
委任内容は契約当事者で定めます。判断能力はあるが、車椅子生活・寝たきり状態・手が不自由で文字が書けないなどの場合、預貯金の払戻しや、印鑑証明書・戸籍謄本の取得などが困難になります。このような場合、家族や信頼できる人に、自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約です。④の任意後見契約と同時に結ぶと便利です。
③見守り契約
見守り契約とは、任意後見が始まるまでの間に、支援する人が定期的に本人と電話連絡を取り、併せて、本人の自宅を訪問して面談することにより、支援する人が、本人の健康状態や生活状況を確認することによって、任意後見をスタートさせる時期を判断するための契約です。
「③見守り契約」+「④任意後見契約」のパターンで作成される例がありますが、「③見守り契約」+「④任意後見契約」+「⑤死後事務委任契約」のパターン、あるいは、「③見守り契約」+「⑤死後事務委任契約」のパターンで作成される例もあります。
④任意後見契約
判断能力があるうちに、将来に備える契約です。委任内容は、契約当事者で定めます。判断能力が不十分な状態になった場合に、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に、自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約です。
本人の判断能力が低下した後、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立て、その任意後見監督人のもとで、任意後見人が、任意後見契約で定めた事務について、本人を代理して契約などをすることによって、本人の意志に従った適切な保護・支援をすることができます。
⑤死後事務委任契約
死後事務委任契約とは、委任者(本人)が第三者(個人、法人を含む。)に対して、亡くなった後の諸手続、葬儀、納骨、埋葬に関する事務等に関する代理権を付与して、死後事務を委任する契約をいいます。
⑥尊厳死宣言
尊厳死とは、回復の見込みがない病におかされ、長期間にわたって植物状態が続くなどの場合に、生命維持装置などによる人為的な延命措置を拒み、人間として尊厳を保った自然な死を迎えることをいいます。
【参考HP】
厚生労働省(任意後見人制度)https://guardianship.mhlw.go.jp/personal/type/optional_guardianship/#movie
美濃加茂公証役場 https://minokamo-kosyo.com/service/making-preparations/notarial-deed-will
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