特定技能外国人とは /杉並区の行政書士が解説します。

2019年の法改正で、特定技能という在留資格が創設され、人手不足の特定の12業種では、日本語と技能の試験に合格した外国人を労働力として採用できることになりました。

(注)以下の記事は2022年当時の記述です。2023年8月31日より、特定技能2号の対象が「介護分野」を除き、特定技能1号と同じになっています(ご参照)。
最新の情報は、出入国在留管理庁のHPをチェックください。

在留資格

まず前提として、日本で外国人が生活するためには、日本政府が認めるメニューにある「在留資格」を取得することが必要となっています。

現在、在留資格の一覧は以下のようなものです。これのいずれかに当てはまらないと、原則として、外国人は日本に滞在できません。

https://www.moj.go.jp/isa/content/001335263.pdf

外国人労働者受け入れの基本方針の変更

わが国では、外国人労働者ついては、長く、「専門的・技術的分野の外国人労働者の受け入れのみ積極的に推進」するという姿勢でした。「専門的・技術的分野以外については、国民のコンセンサスを踏まえつつ、十分慎重に対応する」という基本方針でした。

 しかし、日本社会では、人出不足が続き、本来、国際貢献が目的の技能実習生や留学生のアルバイトが、労働力と期待されるという現実がありました。

 このような中、平成31年(2019年)に創設された新しい在留資格制度が、「特定技能1号・2号」です。「特定技能1号・2号」は、深刻な人手不足への対応として、恒常的に人出不足である12の特定業種(注)に限り、真正面から労働力として外国人の採用を認める制度です。

 (注)特定業種とは、「介護、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業(特定技能2号は、建設、造船・舶用工業のみ認められています。)」です。
もともと、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業は、個別に区分されていましたが、人材が予想ほど集まらないために、3つ統合して一つのカテゴリーとされたという経緯があります。

特定技能の試験

特定技能1号と認められるためには、希望者は日本語試験と技能試験を受けて合格する必要があります。試験内容は、全分野共通の日本語試験と、分野ごとに試験内容が定められています。

試験のための教材や試験はオンライン化されていて、日本でも海外でも受けることができます。https://www.ssw.go.jp/jp/about/sswv/exam/

 特定技能1号在留外国人の数は、20223月末現在では、64,730人です。

人数を、業種別にみると、飲食料品製造業(22,992人(35.5%))、農業(8,153(12.6%),介護(7019人(10.8%))、建設業(6,360人(9.8%))が上位です。国別に見ると、ベトナムが全体の60%を占めています。

https://www.moj.go.jp/isa/content/001335263.pdf

特定技能1号は、最長5年で帰国

特定技能1号では、在留期間は通算最長5年で、帰国が前提です。また原則として、家族帯同は認められていません。特定技能2号では、最長3年の在留資格を何度でも更新することができ、家族帯同も可能です。しかし、特定技能2号は、建設、造船・舶用工業にしか認められていません。

特定技能制度の見直しも進行中

現在、日本に暮らす外国人の区分は、在留資格で見ると、以下のように、「短期滞在者(観光客等)」「留学生等」「日本人の配偶者等」「就労資格外国人」「特定技能外国人」「技能実習生」です。

 法務省は「外国人材の受入れ・共生」を掲げ、様々な施策を実行しています。特に今月には、「特定技能制度と技能実習制度改革の論点整理」を発表するとしていますので、注目されます。

 

https://www.moj.go.jp/isa/content/001335263.

参考 「在留資格 特定技能とは」(公益財団法人 JITCO 国際人材協力機構)

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