在留資格「特定活動」とは、法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動のことです。例としては、外交官等の家事使用人、ワーキングホリデー、経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者等などがあります。
在留資格の中での「特定活動」の位置づけ
「特定活動」は、入管法で定めている具体的に列挙されている在留資格以外の活動を行おうとする外国人を受け入れるために設けられた資格です。
日本の在留資格は、活動を類型化しています。
しかし人間が現実の社会で行う活動を予めすべて類型化することは無理がありますので、「類型化しにくい活動の受け皿として作られた在留資格が特定活動です。特定活動は、「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」ですが、この活動は、①法務大臣が予め告示している活動(告示特定活動)と、②法務大臣が人道上その他の特別な事情により特に在留を認める場合(告示外特定活動)に分かれます。
「特定活動」は、法務大臣が個々の外国人について特に指定している在留資格なので、それぞれが独立した異なる在留資格です。そのため、特定活動の在留資格で在留している外国人が、在留目的を変更して指定された活動以外の活動をしようとする場合は、在留期間更新許可でなく。在留資格変更許可を受ける必要があります。
告示特定活動の例と要件
https://www.moj.go.jp/isa/laws/nyukan_hourei_h02.html
告示特定活動は、2022年11月12日の最新版で、1号告知(家事使用人(外交・公用))から、50号告知(スキーインストラクター)までとなっています。
告示特定活動の主たる内容と、その要件を開設した法務省のホームページへのリンクは以下の通りです。
・アマチュアスポーツ選手及びその家族 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities02.html
・EPA看護師・EPA介護福祉士及びその候補者 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities04.html
・EPA看護師・EPA介護福祉士の家族 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities05.html
・医療滞在及びその同伴者 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities06.html
・インターシップ・サマージョブ・国際文化交流 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities03.html
・家事使用人 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities01.html
・観光・保養等を目的とする長期滞在者及びその配偶者 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities10.html
・高度専門職外国人またはその配偶者の親 https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/newimmiact_3_index.html
・高度専門職外国人の就労する配偶者 https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/newimmiact_3_index.html
・在学中または卒業後に就職が内定し採用までの滞在を希望する場合 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities15.html
・スキーインストラクター https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities12.html
・特定研究等活動 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities07.html
・特定研究等活動等の親・特定研究等活動等家族滞在活動 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities09.html
・特定情報処理活動 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities08.html
・日系4世 https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyuukokukanri07_00166.html
・本邦大学卒業者及びその配偶者等 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities11.html
・本邦の大学等を卒業した留学生が起業活動を行う場合 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities13.html
・本邦の大学等を卒業した留学生が就職活動を行う場合 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/designatedactivities14.html
「特定活動」は、告示46号で存在感を増してきた。
「特定活動」によって政府は「出入国管理及び難民認定法」を改正することなく日本に在留可能な活動の種類を増やすことができます。かつては、例えば外交官の家事使用人、日本の病院に入院して治療を受ける患者およびその付添の人など、特別な事情がある場合に認められることが多く、働くことが出来る特定活動はワーキングホリデーなどごく限られたものでしたが、最近では、上記のように数多くの種類が追加されています。
2019年からは、これまで制限されていた外国人の販売・接客業務への就労を認可する「46号告示」が施行されました。このように、「特定活動」は非常に存在感があるものに変化しつつあります。
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