かけてはいけない心無い言葉

近くの役所で、「何げない言葉でも傷つくことがあります」というポスターを見かけました。読んでみると、犯罪の被害にあわれた方にかける言葉の例が書かれていました。少しドキッとする内容でした。

読んでみると、人を慰めるつもりで、ついかけてしまいがちな言葉が並んでいました。

ポスターの内容は以下のようなものでした。

ポスターの内容

何気ない言葉でも傷つくことがあります

犯罪被害者とその家族・遺族は、あまりに突然のできごとに、深い悲しみややり場のない怒りなどで、混乱のどん底にあります。 そのために、対応には細やかな心遣いが必要となります。

・・・つい使ってしまいがちですが、被害者にこんな言葉がけは、避けたいですね・・・

*安易な励まし・慰め

「大丈夫、よくなりますよ」

「早く元気になって、がんばって」

「他にも同じような人がいる。あなた”だけじゃない”」

*その人の被害を軽く見る、何かと比較する

「これくらいで済んでよかった」

「こんなひどい経験をした人もいる」

「それくらい、昔はよくあったことですよ」

*そのつもりはなくても責めている

「そんな時間に、そんな場所にいたのが悪い」

「気をつけていれば、防げたのに」

犯罪被害者等支援ブック(改訂版)より抜粋 東京都犯罪被害者等支援協会

「大丈夫、よくなりますよ」という言葉は、日常的についかけがちですが、確かに無責任でもあり、言われた方は少なからず傷つく言葉というということに気づかされました。

犯罪にあわれた方だけでなく、病気の方、けがの方、災難にあわれた方とのお話でも通じることだdと思います。

ところで、この出典である、犯罪被害者等支援ブックとは、今まで読んだことはありませんでしたが、調べると各自自治体で発行しているようでした。対象者は、犯罪被害者等の支援に係る関係機関の方向けだそうです。

例えば、令和4年9月の広島県のハンドブックを見ると次のような記載がありました。

【適切な応答】

適切な応答の例を示します。

なお,これらは適切ではあるものの,安易に使用すると,逆に,犯罪被害者等を傷つけてしまったり,不信感を招くことにもつながるので注意してください。 また,相談を受けた側が,どう対応していいか,わからない場合もあり得ます。そうした場合は,「私には経験がないことですので,わからないこともあります。気になることがあれば,遠慮なく言ってください。」と,あらかじめ言い添える対応も考えられます。

《適切な応答例》

・ ご心中,お察しします。

・ 本当にお気の毒です。

・ このことは,あなたにとって大変辛いことだと思います。

・ 悲しんでいいのですよ。

・ あなたが怒りを感じられるのは当然だと思います。

・ そのことを認めるのは,とても辛いことに違いありません。

・ (このような体験をしたら)今までのように仕事や家事ができなくなるのも当然だと思います。

・ 何をする気力も無いのは当たり前のことだと思います。

・ 無理をする必要はありません。

・ よく頑張ってこられましたね。

・ ここでは,安心してご自分の感情を出していいんですよ。 」

犯罪被害者の方とお話をする機会などあれば、心にとどめたいことと思いました。