土地の利用区分 杉並区 | 行政書士中村光男事務所

相続税(や贈与税)の申告の際に使用する「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書」では、土地の利用区分が12に分類されています。このうち代表的な「貸宅地」と「貸家建付地」の相続税の評価について記載します。

貸宅地

貸宅地とは、借地権など宅地の上に存する権利の目的となっている宅地をいいます。
貸宅地の評価は、次の1から5までに掲げるその宅地の上に存する権利の区分に応じて行います。

1 借地権の目的となっている宅地

借地権とは、建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権をいいます(借地借家法第22条から第25条までに定める借地権を除きます。)。
借地権の目的となっている宅地の価額は、次の算式で求めた金額により評価します。
(算式)自用地としての価額-自用地としての価額×借地権割合(注)

(注)「借地権割合」は、国税庁ホームページ「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」 で確認することができます。また、借地権の取引慣行がないと認められる地域にある貸宅地の価額を評価する場合には、借地権割合を20パーセントとして計算します。

2 定期借地権等の目的となっている宅地

(1)定期借地権等とは、借地借家法第22条から第25条までに定める借地権をいいます。

定期借地権等の目的となっている宅地の価額は、原則として、その宅地の自用地としての価額から、定期借地権等の価額を控除した金額によって評価します。

ただし、上記により評価した金額が次の算式で求めた金額を上回る場合には、次の算式で求めた金額を定期借地権等の目的となっている宅地の評価額とします。

(算式)

自用地としての価額-自用地としての価額×定期借地権等の残存期間に応じた割合(注)

(注)次に掲げる定期借地権等の残存期間に応じた割合です。

イ  残存期間が5年以下のもの  5パーセント
ロ  残存期間が5年を超え10年以下のもの  10パーセント
ハ  残存期間が10年を超え15年以下のもの  15パーセント
ニ  残存期間が15年を超えるもの  20パーセント

(2)定期借地権等のうちの一般定期借地権の目的となっている宅地については、課税上弊害がない限り、上記(1)の方法によらず、一般定期借地権の目的となっている宅地の評価の方法により評価します。

(3)定期借地権等のうちの一時使用目的の借地権の目的となっている宅地については、一時使用目的の借地権が雑種地の賃借権と同じように評価されることから、上記(1)の方法によらず、次の算式で求めた金額により評価します。
(算式)
自用地としての価額-一時使用目的の借地権の価額

3 地上権の目的となっている宅地

地上権とは、工作物または竹木を所有するために他人の土地を使用する権利をいい、建物の所有を目的とする地上権は借地権に含まれますので、ここでの地上権からは除かれます。
地上権の目的となっている宅地の価額は、次の算式で求めた金額により評価します。

(算式)
自用地としての価額-自用地としての価額×相続税法第23条に定める地上権の割合

相続税法

(地上権及び永小作権の評価)
第二十三条 地上権(借地借家法(平成三年法律第九十号)に規定する借地権又は民法第二百六十九条の二第一項(地下又は空間を目的とする地上権)の地上権に該当するものを除く。以下同じ。)及び永小作権の価額は、その残存期間に応じ、その目的となつている土地のこれらの権利を取得した時におけるこれらの権利が設定されていない場合の時価に、次に定める割合を乗じて算出した金額による。
残存期間が十年以下のもの 百分の五
残存期間が十年を超え十五年以下のもの 百分の十
残存期間が十五年を超え二十年以下のもの 百分の二十
残存期間が二十年を超え二十五年以下のもの 百分の三十
残存期間が二十五年を超え三十年以下のもの及び地上権で存続期間の定めのないもの 百分の四十
残存期間が三十年を超え三十五年以下のもの 百分の五十
残存期間が三十五年を超え四十年以下のもの 百分の六十
残存期間が四十年を超え四十五年以下のもの 百分の七十
残存期間が四十五年を超え五十年以下のもの 百分の八十
残存期間が五十年を超えるもの 百分の九十

以下略

 

参考 国税庁HP「No.4613 貸宅地の評価」

貸家建付地

貸家建付地とは、貸家の敷地の用に供されている宅地、例えば、その宅地を所有する方が建築したアパートやビルなどを他に貸し付けている場合の、その敷地である宅地をいいます(注)。

(注)貸家建付地の評価の対象となる宅地は、借家権の目的となっている家屋の敷地の用に供されている宅地をいいますので、例えば、一般的に借地借家法の適用がないとされている「社宅」の敷地の用に供されている宅地は、貸家建付地の評価は行わず、自用地としての価額で評価することになります。

貸家建付地の価額は、次の算式1で求めた金額により評価します。

(算式1)
貸家建付地の価額 = 自用地としての価額 - 自用地としての価額 × 借地権割合(注1) × 借家権割合(注1) × 賃貸割合(注2)

(注1)「借地権割合」および「借家権割合」は、国税庁ホームページ「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で確認することができます。
(注2)「賃貸割合」は、貸家の各独立部分(構造上区分された数個の部分の各部分をいいます。)がある場合に、その各独立部分の賃貸状況に基づいて次の算式2により計算した割合をいいます。

(算式2)
賃貸割合=Aのうちの課税時期において賃貸されている各独立部分の床面積の合計÷当該家屋の各独立部分の床面積の合計(A)の計算式

この算式2における「各独立部分」とは、建物の構成部分である隔壁、扉、階層(天井および床)等によって他の部分と完全に遮断されている部分で、独立した出入口を有するなど独立して賃貸その他の用に供することができるものをいいます。

また、継続的に賃貸されていたアパート等の各独立部分で、例えば、次のイからニに掲げるような事実関係から、アパート等の各独立部分の一部が課税時期(相続または遺贈の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)において一時的に空室となっていたにすぎないと認められるものについては、課税時期においても賃貸されていたものとして差し支えありません。

イ 各独立部分が課税時期前に継続的に賃貸されてきたものであること。
ロ 賃借人の退去後速やかに新たな賃借人の募集が行われ、空室の期間中、他の用途に供されていないこと。
ハ 空室の期間が、課税時期の前後の例えば1か月程度であるなど、一時的な期間であること。
ニ 課税時期後の賃貸が一時的なものではないこと。

貸家建付地の価額は、「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書」を使用して評価することができます。

参考 国税庁HP No.4614 貸家建付地の評価

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