外国人の引っ越し 転居 杉並区 | 行政書士中村光男事務所 杉並・練馬・中野・武蔵野市・新宿区・小金井市・小平市

日本に、中長期で滞在していて在留カードを持っている方が、引っ越しを行う場合は、入管庁ではなく、自治体への届出をルール通りに行えば、入管庁への届出も完了したものとして扱われます(注)。

住所情報は、在留カードの内臓チップに格納されていますが、外国人が市区町村に届出を行うと、窓口職員が、在留カードの裏面に新しい住所を記載し、在留カードに内蔵されているICチップにも、新しい住居地の情報が記録され、在留カードの変更手続きが完了します。

ただし、氏名、生年月日、性別、国籍・地域など、住所以外の在留カード記載事項に変更がある場合は、地方出入国在留管理局への届出が必要となります。

住所変更の手続きは、引っ越し先が同じ自治体内か違う自治体かによって、進め方が異なります。また、いずれの場合も、引っ越し日前後の14日以内に手続きを完了させなければならないことが重要な点です。

(注)入管庁HP「在留カードを市区町村の窓口に持参して、住民基本台帳法第22条、第23条又は第30条の46に規定する届出を行った場合には、下記の住居地の変更届出を行ったものとみなされます。(下記の住居地届出書の提出は不要です。)」⇒このように、外国人は、住居地について市区町村長を経由して出入国在留管理庁長官に届け出なければならないこととされていますが、転入・転居等の手続をすれば届出をしたことみなされることとなっています。その後、市区町村が転入・転居等の手続の際に把握した住居地情報を、出入国在留管理庁長官に通知することになります。

別の市区町村へ引っ越しをする場合

異なる自治体へ引っ越す場合は、転出届と転入届の二段階の手続きが必要です。まずは、引っ越し前後の14日以内に、古い住所の自治体に世帯主の方が「転出届」を出して、「転出証明」を受け取ってください。

手続きの流れ

  1. 旧住所の自治体での手続き(転出届)
    • まず、現在住んでいる(旧住所の)自治体の役所・役場へ「転出届」を提出します。なるべく引っ越し前の14日以内に行ってください。
    • 転出届を提出することで、市区町村から「転出証明書」が交付されます。
  2. 新住所の自治体での手続き(転入届)
    • その後、転出証明書を含めた必要書類を準備し、新たに住所を置く自治体の役所・役場へ「転入届」を提出します。

転出届と転入届

項目 転出届(旧住所の自治体) 転入届(新住所の自治体)
届出者 本人もしくは世帯主(代理人の場合は委任状が必要) 本人もしくは世帯主(代理人の場合は委任状が必要)

※自治体によっては、全員が揃う必要もあります。事前に各自治体に確認してください。

届出場所 住んでいた自治体の役所・役場 引っ越し先の自治体の役所・役場
タイミング 引っ越す前、もしくは引っ越し日より14日以内 引っ越し日より14日以内に届出を行う必要があります
手数料 無料 無料

必要な書類

【転出届の必要書類】(住んでいた自治体の役所・役場へ提出)

  • 転出届
  • 本人確認書類(住所変更する全員分の在留カード
  • 国民健康保険証(加入者のみ)
  • マイナンバーカードまたは住民基本台帳カード(交付者のみ)
  • 印鑑登録証(登録者のみ)

【転入届の必要書類】(引っ越し先の自治体の役所・役場へ提出)

  • 転入届
  • 転出証明書(旧住所の自治体で発行されたもの)
  • 本人確認書類(住所変更する全員分の在留カード
  • マイナンバーカードまたは住民基本台帳カード(交付者のみ)
  • 家族で暮らす場合:世帯主の方とご本人との続柄を証明できる文書(出生証明書、婚姻証明書などの原本)と、その日本語の翻訳文が必要です。

2.同じ市区町村内で引っ越する場合

同じ自治体内で引っ越した場合は、14日以内に「転居届」の提出を行ってください。
(転出届・転入届は不要です。)

転居手続き概要

項目 詳細
届出書類 転居届
届出者 本人もしくは世帯主(代理人へ依頼する場合は委任状が必要)
届出場所 住んでいる自治体の役所・役場
タイミング 引っ越し日より14日以内
手数料 無料

必要な書類

  • 転居届
  • 本人確認書類(住所変更する全員分の在留カード)。在留カードは住所の記載変更に必要となるほか、本人確認書類としても重要な証明資料です。
  • 国民健康保険証(加入者のみ)
  • マイナンバーカードまたは住民基本台帳カード(交付者のみ)

【罰則に関する留意点】

在留カードを持つ外国人が住所の変更内容を更新しない場合、入管法および住民基本台帳法の双方で罰金(過料)の対象となる可能性があるため、速やかな手続きが必要です。特に、住所変更も含めた届出を怠った場合、入管法により20万円以下の罰金が科される可能性があり、在留資格が取り消される恐れもあります。また、住民基本台帳法では、正当な理由なしに移動届を怠った場合、5万円以下の過料が科される可能性があります。

住民票の対象となる在留資格者

2012年7月9日に「住民基本台帳法の一部を改正する法律」が施行されたことに伴い、外国人住民の方も住民基本台帳制度の適用対象となりました。
これにより、対象となる外国人住民の方には、お住まいの市区町村で、「住民票」が作成されることになっています。

住民基本台帳制度の対象となる外国人住民

日本の国籍を有しない者のうち次の表の左欄に掲げるものであって市町村の区域内に住所を有するものが対象者となります。

(1) 中長期在留者
(在留カード交付対象者)

 我が国に在留資格をもって在留する外国人であって、3月以下の在留期間が決定された者や短期滞在・外交・公用の在留資格が決定された者等以外の者。
改正後の入管法の規定に基づき、上陸許可等在留に係る許可に伴い在留カードが交付されます。

(2) 特別永住者

 入管特例法により定められている特別永住者。
改正後の入管特例法の規定に基づき、特別永住者証明書が交付されます。

(3) 一時庇護許可者又は仮滞在許可者

 入管法の規定により、船舶等に乗っている外国人が難民の可能性がある場合などの要件を満たすときに一時庇護のための上陸の許可を受けた者(一時庇護許可者)や、不法滞在者が難民認定申請を行い、一定の要件を満たすときに仮に我が国に滞在することを許可された者(仮滞在許可者)。
当該許可に際して、一時庇護許可書又は仮滞在許可書が交付されます。

(4) 出生による経過滞在者又は国籍喪失による経過滞在者

 出生又は日本国籍の喪失により我が国に在留することとなった外国人。
入管法の規定により、当該事由が生じた日から60日を限り、在留資格を有することなく在留することができます。


上記の(1)中長期間在留とは、具体的には次の1~6のいずれにも当てはまらな い人です。
例えば、観光や短期商用を目的とした「短期滞在」の在留資格を持って日本に短期間滞在する外国人の方は在留管理制度の対象外となります。

  1. 3月以下の在留期間が決定された人
  2.  短期滞在の在留資格が決定された人
  3.  外交又は公用の在留資格が決定された人
  4.  これらの外国人に準ずるものとして法務省令で定める人(具体的には、台湾日本関係協会の本邦の事務所若しくは駐日パレスチナ総代表部の職員又はその家族の方)
  5.  特別永住者
  6. 在留資格を有しない人

マイナンバーカード

住民票を有する外国人住民の方はマイナンバーカードの申請ができます。申請はスマホ、パソコン、証明用写真機、郵便から可能です。

外国人住民の方については、マイナンバーカードの有効期間は在留期間の満了日等までとなります(高度専門職第2号、永住者及び特別永住者を除く)。そのため、在留期間更新等許可申請中の場合や、マイナンバーカードの交付予定日の前に在留期間の満了の日が到来することが見込まれる場合には、在留期間の更新等が許可された後で、マイナンバーカードの交付申請を行って下さい。個人番号は一生使うものですので、大切に扱ってください。

 

住居地以外の在留カード記載事項の変更届出

住所以外の在留カードに記載されている事項(氏名、生年月日、性別又は国籍・地域など)に変更が生じた場合は、在留カードの修正が必要ですので、入管庁へ在留カードを持参して、変更する必要があります。詳しくは、入管庁のHPをご覧ください。⇒住居地以外の在留カード記載事項の変更届出 

 

まとめ

住所変更手続きを円滑に進めるためには、必要書類の漏れがないように、早めに準備しておくことが大切です。

例えるなら、住所変更の手続きは、まるでパスポートの住所欄を更新する作業に似ています。海外に行くためのパスポート(在留カード)自体は入管庁が管理していますが、国内の住所登録(住民票)の変更は、住んでいる場所(市区町村)の窓口で一元的に行われるのです。そして、その変更情報が正しく登録されることで、パスポート(在留カード)の裏面情報も最新の状態に保たれます。

参考 外国人住民に係る住民基本台帳制度(総務省)

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