
戸籍についてのQ&Aをまとめてみました。
Q. 戸籍とは何ですか?
「戸籍」とは、日本国民の家族関係や身分を記録している大切な書類です。戸籍には、「本籍」と「筆頭者」という情報が書かれています。「本籍」は、その戸籍がどこにあるのかを示すもので、土地の番号(地番)を使って表示されています。いわば戸籍の“見出し”のようなものです。「筆頭者」は、その戸籍に最初に名前が載っている人のことで、戸籍全体の代表のような立場になります。
Q. 戸籍謄本と戸籍抄本の違いは何ですか?
「戸籍謄本(とうほん)」は、その戸籍に載っている家族全員の情報が書かれたものです。「戸籍抄本(しょうほん)」は、その中の一部の人だけの情報が書かれたものです。
たとえば、3人が同じ戸籍にいる場合、3人全員が載っているのが「謄本」、1人または2人だけが載っているのが「抄本」です。
また、最近では戸籍がコンピュータで管理されるようになり、「謄本」は「全部事項証明書」、「抄本」は「個人事項証明書」と呼ばれるようになりました。
Q. 戸籍の広域交付制度とは?
従来は、戸籍は本籍地に請求する必要がありましたが、令和6年から、始まった「戸籍の広域交付制度」により、本籍地が遠くにあっても、お住まいの近くの市区町村役場で戸籍証明書や除籍証明書を請求できるようになりました(これを「広域交付」といいます)。
この制度のポイントは2つです:
【どこでも】
本籍地が離れていても、今いる場所の市区町村の窓口で戸籍を取ることができます。
【まとめて】
本籍地がいくつかに分かれていても、1つの窓口でまとめて請求できます。全国の戸籍を一度に集めるのがぐんと便利になりました。
※ただし、コンピュータ化されていない一部の戸籍や除籍は対象外です。
※また、「一部事項証明書」や「個人事項証明書」はこの制度では請求できません。
Q.戸籍の筆頭者とは何ですか?
戸籍の筆頭者とは、戸籍のいちばん最初に名前が載っている人のことです。戸籍に載っている家族の「代表」のような存在で、その人の名字(氏)を、他の家族も名乗ることになります。
たとえば、初めて結婚するおふたりが婚姻届を出すと、ふたりだけの新しい戸籍が作られます。
・夫の名字を選んだ場合 → 夫が「筆頭者」、妻が「配偶者」
・妻の名字を選んだ場合 → 妻が「筆頭者」、夫が「配偶者」
というふうに、選んだ名字によって「筆頭者」が決まります。
なお、「筆頭者」が亡くなったとしても、戸籍の中での筆頭者は変わりません。住民票の「世帯主」とは違い、あとから変わることはないのでご注意ください。
Q. 離婚で戸籍はどう変わりますか?
日本人同士が結婚する場合、夫婦はどちらかの名字(氏)を選んで、同じ名字になります。そして、ふたりだけの新しい戸籍がつくられます。このとき、名字が変わらなかったほうが戸籍の筆頭者になります。
たとえば、夫の名字を選べば、夫が筆頭者、妻が配偶者として新しい戸籍ができ、妻の名字も夫と同じになります。逆に、妻の名字を選んだ場合は、妻が筆頭者、夫が配偶者として新しい戸籍ができます。
ただし、どちらかがすでに戸籍の筆頭者になっていて、その人の名字を選んだ場合には、新しい戸籍は作られず、もう一方の人がその戸籍に入ることになります。
【結婚後の戸籍のパターン】
◆パターン①:どちらも筆頭者ではない場合
➡ 新しい戸籍が作られる
選んだ名字 | 筆頭者 | 配偶者 |
---|---|---|
夫の名字 | 夫 | 妻 |
妻の名字 | 妻 | 夫 |
◆パターン②:どちらかがすでに筆頭者の戸籍を持っている場合
➡ 新しい戸籍は作られず、その戸籍にもう一方が入る
状況 | どうなるか |
---|---|
夫がすでに筆頭者の戸籍を持っていて、夫の名字を選ぶ | 妻が夫の戸籍に入る(新戸籍は作られない) |
妻がすでに筆頭者の戸籍を持っていて、妻の名字を選ぶ | 夫が妻の戸籍に入る(新戸籍は作られない) |
Q. 離婚で戸籍や氏名はどう変わりますか?
A.離婚をすると、ふつうは結婚前にいた戸籍に戻ることになります。ただし、戸籍の筆頭者だった方は、元の戸籍に戻ることはなく、現在の戸籍に「離婚した」という事実が記載されるだけになります。たとえば、夫が戸籍の筆頭者だった場合、離婚すると妻は結婚前の戸籍に戻りますが、夫の戸籍はそのままで変わりません。
また、戻るはずの戸籍がすでになくなっている(たとえば、その戸籍にいた人が全員亡くなっていて除籍されている)場合は、新しく戸籍が作られることになります。
さらに、妻が結婚中にお仕事をしていた場合などは、離婚によって旧姓に戻ると、職場や取引先との関係で困ることがあるかもしれません。そこで、離婚したあとも、結婚中の名字(姓)をそのまま使い続けることができる制度があります。これを「婚氏続称」といって、離婚の日から3か月以内に市区町村役場に届け出れば、引き続きその姓を使うことができます。
民法(離婚による復氏等)
第七百六十七条 婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。
2 前項の規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から三箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる。
Q. 戸籍の「除籍謄本」とは何ですか?
「除籍謄本(じょせきとうほん)」とは、戸籍に入っていた人が全員いなくなった戸籍の写しのことです。
もともと戸籍には、お父さんやお母さん、子どもなど、家族の情報がまとめて記載されていますが、
・亡くなったり
・結婚して別の戸籍に入ったり
・本籍地を変えたり
すると、その人は戸籍から「除かれる(出ていく)」ことになります。
こうして、戸籍に載っていた全員がいなくなった状態の戸籍を「除籍」といい、そのコピーが「除籍謄本」です。
つまり、除籍謄本は「この戸籍にはもう誰もいませんよ」ということを証明する書類になります。
📌 保管期間について
除籍謄本は、除籍になった年の翌年から150年間、本籍地の市区町村で保管されています。
Q. 除籍謄本と戸籍謄本、改正原戸籍謄本の違いは何ですか?
例えると、以下のように言えます。
●戸籍謄本と除籍謄本の違い
・戸籍謄本 → 現役バリバリの戸籍(中に生きている人がいる状態)
・除籍謄本 → 空き家になった戸籍(全員が婚姻や死亡でいなくなった状態)
例えば、家族全員が結婚で別々の戸籍を作ったり、亡くなったりすると、元の戸籍は「除籍謄本」になります。お家に誰も住んでいなくなった状態をイメージするとわかりやすいです。
●改正原戸籍謄本ってなに?
戸籍のデジタル化や制度変更で作り直す時、前のバージョンの戸籍がこれです。古い家族アルバムのようなものだとお考えください。
・新しい戸籍がメインで使われる
・過去の記録として役所で大切に保管
・廃棄されないから必要な時に請求可能
戸籍制度は法律改正で何度か様式が変わっています。その都度「過去のアルバム」が作られ、現在は戸籍謄本と改正原戸籍謄本が並行して存在している状態です。
Q. 戸籍の「附票」とは何ですか?
「戸籍の附票(ふひょう)」とは、戸籍を作ったとき(本籍を決めたとき)からの住所の移り変わりを記録したものです。戸籍とセットで、本籍地の市区町村で管理されています。
この「戸籍の附票」は、必要に応じて証明書として取り寄せることができますが、本籍地の市区町村でしか発行できません。
もし本籍地が遠い場合は、郵送で取り寄せることも可能ですので、その方法をご利用ください。
◎こんなときに使います
・不動産の登記手続き
・自動車の名義変更や廃車手続き
これらの場面では、「昔その住所に住んでいたことを証明したい」ときがありますが、住民票だけでは証明できない場合に、戸籍の附票が役立ちます。
Q. 自分一人だけの戸籍をつくることはできますか?
「一人だけの戸籍を作りたい」「今の戸籍から抜けたいけれど、筆頭者も配偶者もすでにいなくて転籍届が出せない」――そんなときは、「分籍届(ぶんせきとどけ)」を使って、自分が筆頭者となる新しい戸籍を作ることができます。この手続きは、18歳以上の方が対象です。
「分籍届」の用紙は市区町村の窓口に用意されています。必要なことを記入して、窓口に提出してください。
ただし、ひとつ注意点があります。いったん親などの戸籍から抜けてしまうと、もとに戻ることはできません。よく考えてから提出しましょう。
また、すでに戸籍の「筆頭者」になっている方や、「配偶者」として戸籍に入っている方は、分籍届を出すことはできません。
▼親の戸籍
┌────────────ーーー-┐
│ 筆頭者:父 │
│ 配偶者:母 │
│ 子ども:あなた ← 今ここにいる │
└────────────ーーー-┘
▼あなたの新しい戸籍
┌────────────┐
│ 筆頭者:あなた │
│ (一人だけの戸籍) │
└────────────┘
Q.戸籍の筆頭者はすでに亡くなっています。申請書の筆頭者欄には誰の名前を書けばいいですか?
A. 戸籍の筆頭者とは戸籍の一番はじめに記載されている方です。筆頭者の方が亡くなられても、戸籍の筆頭者は変わりません。亡くなった筆頭者の方の名前をご記載ください。
Q.相続手続きで、なぜ何通もの戸籍が必要になるのですか?
A. 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍をすべて集める必要があるためです。これにより、法定相続人が誰であるかを公的に証明することができます。
Q.従前の戸籍(出生当時や婚姻前の戸籍など)はどのように確認するのですか?
相続などの手続きをする際に、被相続人(亡くなった方)の出生当時から現在の戸籍を全部そろえることで、証明が必要な方の身分関係変動の状況(婚姻や養子縁組の有無など)証明します。遺族の知らない、相続人が
必要な時期の戸籍の本籍や筆頭者がわからない場合は、現在の戸籍に記載されている事項から、従前の戸籍の本籍と筆頭者を確認したうえで、必要となる戸籍を請求していただくことになります。
例えば、婚姻前の戸籍を確認したい場合は、婚姻事項に記載されている【従前戸籍】を確認してください。
なお、出生事項に記載されている【出生地】は生まれたところであり、出生当時の本籍地を記載したものではありません。