相続した土地の行方を探る方法と相続放棄の注意点

今回は、相続した土地の全体像がつかめないという問題について考えてみたいと思います。実際の相談事例をもとに、どのようにして情報を収集し、進めていくかをご紹介します。

数年前に亡くなった父親が九州の実家に住んでいた50代の男性からの相談です。

父親が所有していた土地がどこにどれだけあるのか分からず、相続放棄の手続きもわからない状況にあるようです。

まず、このような状況に陥らないために、親世代と相続について話し合うことが大切です。特に親世代が高齢になると、身辺整理が進まないことが多く、相続に関する情報が不足しやすくなります。早めの話し合いが肝要です。

相続人が不動産を確認する際には、まず自治体から送られてくる固定資産税の納税通知書が役立ちます。この通知書には土地の詳細情報が記載されており、所有地の地番や面積、評価額などが含まれています。

次に、実家のある自治体が管理している固定資産税課税台帳の名寄帳を確認しましょう。

これには所有者ごとにまとめられた情報が含まれています。相続人は申請書に被相続人の戸籍謄本を添付して申請します。

名寄帳の写しは手数料を支払えば入手可能ですが、注意が必要です。名寄帳に記載されているのは請求をした自治体内の不動産のみであるため、父親が不動産を所有していると思われるすべての自治体に請求する必要があるかもしれません。

最後に、相続放棄についても触れてみましょう。相続放棄は被相続人が亡くなったことを知った日から3カ月以内に行う必要があります。

今回のケースでは、申請期間を過ぎてしまったため、相続放棄はできません。

遺言書もなく、遺産分割協議も行われていない場合、相続人たちは法定相続分で遺産を共有することになります。

このように、相続した土地の全体像をつかむためには情報収集が大切です。

そして、相続放棄などの手続きについても注意が必要です。お金や財産に関する問題は慎重に進めることが大切ですので、専門家のアドバイスを受けることも検討してみてください。