複数のネット金融機関のご利用者に相続が発生した場合

 

以下の点は、このブログの引き続き検討事項ですが、備忘のため記載します。

ある日突然に働き盛りのサラリーマンのAさんが予期せぬ事故に遭遇し、亡くなってしまったとします。

Aさんは複数のネット銀行とネット証券の利用者で、合わせれば相当の金融資産をネット上で保有していました。万一の事を考え、いつか家族にわかりやすく説明しておこうと思っていた矢先のことでした。

 通常の有店舗の銀行や証券と異なり、通帳の類はなく、残された家族はその事実を知る由もありませんでした。また、ネット銀行やネット証券もAさんが事故死したという事実を知らないので、その後長い間、遺族は残されたわずかな通帳のある銀行預金しか認識できずに、金銭的な苦労を味わうことになりました。

これは架空の話ですが、誰の身にいつ起こっても不思議ではありません。

このようなシナリオを想定した対策は必要です。

 年に一回度程度は、保険、預金、有価証券等の金融資産の預け先の一覧表を作成して、信頼できるご家族に分かるようにしておくことも必要でしょう。これが分かれば、各金融機関に連絡できるというものです。例えば、https://go.sbisec.co.jp/prd/common/inheritance/ などです。

 もっとも、そもそも自分自身でも、どこにどれだけの口座があるかつい分からなくなるときもあります。最近では、スマホアプリの家計簿アプリで保有する全口座の残高や明細がほぼリアルタイムで把握できるようになっていますので、その利用もいいかもしれません。

 ネット銀行やネット証券の利用者が死亡したとき、最終的に、ネット金融機関側が知らんぷりで資産が行方不明になることはないにせよ、残された家族のことをお考えになり、まずは利用者側が能動的に備えないといけない分野かと思います。