離婚 杉並区 行政書士中村光男事務所

やむをえない事情で、離婚を選択したとき、事前に決めておくべき重要な6つのポイントについて解説します。

離婚の際に決めておくべきこと

財産分与

夫婦が婚姻前から持っている固有の財産を除き、婚姻生活の間に夫婦が蓄積した一切の財産が離婚の際には、5対5で分割するのが原則的な実務です。婚姻期間中の夫婦は平等に財産形成に貢献したと考えられるため、妻が専業主婦であっても同じです。
ただし、配偶者の一方が特別に高収入であったり、浪費癖があったりというような特別な事情がる場合は、5対5の割合が修正されることもあります。

親権者・面会交流

未成年の子供がある夫婦が離婚する場合は、どちらが親権者になるかを決めます。協議で決まらないときは家庭裁判所に調停・審判・訴訟(離婚の場合)で決めてもらいます。裁判所は、裁判所は子の福祉の観点から親権者を決めます。子どもが幼いときは、母性が重視されます。子どもが15歳以上のときは、子どもの意見を聴いて斟酌します。

面会交流については、平成23年の民法改正で、離婚をする際の協議事項の一つとして明記されました。できれば「親権者以外の親が子に面会交流することを認める。日時、場所、方法は子の利益を優先して協議して決める」というような柔軟な決め方が良いとされています。

面会交流で、当事者の話し合いがまとまらない場合も、裁判所の調停を利用することができます。調停では裁判官と調停委員2人以上で構成される調停委員会が、双方から事情や意見を聴いたり、必要に応じて資料を提出してもらうなどして、お互いが納得して問題を解決できるように、実情に即した助言やあっせんをします。

養育費

養育費は離婚後の未成熟な子どもの養育費用です。親権(監護権)を持っている配偶者が相手方配偶者に請求できます。夫婦で合意できない場合は家庭裁判所の調停で決めます。家庭裁判所は夫婦の収入額、子どもの人数、年齢などを考慮した算定表(家庭裁判所ウェッブサイト)を基礎として、具体的な額を決めます。

慰謝料

慰謝料は,相手方の行為によって離婚せざるを得なくなったような場合などに、不法行為による精神的苦痛に対する損害賠償として請求することができます。
金額や支払い方法について、夫婦間の話合いがまとまらない場合や話合いができない場合には,家庭裁判所の調停手続を利用することができます。時効は3年です。

【慰謝料の相場は?】

やや古いデータですが、東京家庭裁判所で、平成16年から平成22年で慰謝料が認容された事例では、100万円以下28.2%、200万円以下26.6%、300万円以下24.8%、400万円以下7.2%、500万円以下8.1%、500以上5%です。100万円~300万円が多いことが分かります。

税金

離婚により相手方から財産をもらった場合、通常、贈与税がかかることはありません。これは、相手方から贈与を受けたものではなく、夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受けたものと考えられるからです。

ただし、次のいずれかに当てはまる場合には贈与税がかかりますので気をつけてください。
⓵分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合この場合は、その多過ぎる部分に贈与税がかかることになります。
②離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合この場合は、離婚によってもらった財産すべてに贈与税がかかります。

婚姻費用(離婚協議中の生活費)

夫婦が別居生活に入っている状態であっても、離婚が成立するまでは、原則として、夫婦は生活費を分担しなければなりません。相手が生活費や子の養育費を支払わないといった場合に、相手方に対して、婚姻費用の支払を求めることができます。例えば、衣食住に必要な経費、医療費、自立していない子どもがいる場合には、子どもの養育費もこれに含まれます。

別居後、相手が婚姻費用を家計に入れない場合には、相手方に婚姻費用の分担請求を行うことが考えられます。家庭裁判所の家事調停手続を利用することもできます。

離婚の話合いがまとまらない場合は

離婚について当事者間の話合いがまとまらない場合や話合いができない場合には、家庭裁判所の調停手続を利用することができます。

調停手続では、離婚そのものだけでなく、離婚後の子どもの親権者を誰にするか、親権者とならない親と子との面会交流をどうするか、養育費、離婚に際しての財産分与や年金分割の割合、慰謝料についてどうするかといった財産に関する問題も一緒に話し合うことができます。

お住いの地区の裁判所の管轄区域はこちらで分かります。

まとめ

協議離婚の場合は、上記のポイントを押さえた、法的にしっかりとした内容の離婚協議書の作成が重要です。

万一、取り決められた養育費や婚姻費用の支払がない場合には、支払わない人の財産(給料や預貯金など)を差し押さえて、その中から強制的に支払を受ける制度(強制執行)を利用することもありえますが、そのためには、調停などの裁判所の手続きか、離婚協議書を公正証書(公証人役場で公証人が作成する文書)にする必要があります。

円満な離婚をサポートするため、離婚協議書作成、離婚公正証書原案作成などの業務を行っています。
離婚のことでお悩みの方はご相談下さい。

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