
定期借家制度(ていきしゃっかせいど)とは、日本における賃貸借契約の一種で、契約期間が満了すると自動的に更新されず、原則として借主が退去しなければならない制度です。通常の賃貸借契約(普通借家契約)と異なり、契約期間終了後の退去が前提となる点が特徴です。以下に詳細を説明します。
定期借家制度の基本
- 契約期間
- 最低1年以上の期間を設定する必要があります(最長は自由)。
- 契約満了時には「自動更新されない」ことが明記されます。
- 退去義務
- 契約期間が終了した場合、借主は正当な理由がなくても退去しなければなりません。
- 更新を希望する場合は、貸主と改めて合意が必要です(更新拒否の理由は不要)。
- 書面による説明義務
- 貸主は契約時に「定期借家契約であること」を書面で説明し、借主が理解したことを確認する必要があります。
(※書面がない場合、普通借家契約とみなされる可能性があります)
- 貸主は契約時に「定期借家契約であること」を書面で説明し、借主が理解したことを確認する必要があります。
個人間でも利用できるか?
可能です。
定期借家制度は、法人・個人を問わず利用できます。
- 個人貸主が個人借主と契約する場合でも、法律(借地借家法)に基づき定期借家契約を締結可能です。
- ただし、以下の要件を満たす必要があります:
- 契約書に「定期借家契約である旨」を明記する。
- 貸主が借主に対し、契約内容(自動更新されない点など)を書面で説明する。
- 契約期間を1年以上に設定する。
メリットとデメリット
貸主側のメリット
- 期間満了時に確実に家屋を回収できる。
- 更新時の賃料改定や契約条件の見直しが容易。
借主側のデメリット
- 契約期間終了後の継続居住が保証されない。
- 退去を迫られるリスクがある(例:高齢者や子育て世帯は住み替えの負担が大きい)。
注意点
- 書面の厳守:口約束では無効です。必ず書面で契約し、説明内容を記載します。
- 更新交渉:借主が継続を希望する場合、貸主に更新を打診できますが、強制力はありません。
- 中途解約:契約期間中に借主が退去する場合は、通常の賃貸契約と同様に「中途解約ルール」が適用されます。
具体例:個人間での活用
- 例1:親族に期間限定で家を貸す場合(例:3年間の留学期間)。
- 例2:大家が将来の自宅再建を計画し、一時的に貸し出す場合。
いずれも「確実に期間終了後に家を返却したい」というニーズに適しています。
まとめ
定期借家制度は、個人間でも利用可能ですが、法律で定められた手続き(書面による説明・契約期間の設定)を厳格に守る必要があります。貸主・借主双方が契約内容を正確に理解し、トラブルを防ぐことが重要です。
参考 国土交通省「定期借家制度」https://www.mlit.go.jp/common/001170116.pdf