出生届記載事項証明書 杉並区 | 行政書士中村光男事務所

帰化申請を行う際に膨大な資料が必要とされていますが、取り寄せるのが大変なのが「記載事項証明書」です。

記載事項証明書は、申請者が「日本の市区町村役場に、出生届、死亡届、婚姻届、離婚届、親権者変更届、養子縁組届及び認知届の届出をしているとき」に必要となります。

受理された戸籍届出(出生届、婚姻届、死亡届、離婚届など)の届書に記載された内容を証明するものです。届書の写しに認証して交付されます。

戸籍届書は原則非公開とされていますので、一定の利害関係人の方が法令等で定められた特別な請求理由がある場合のみ請求することができます。したがって、帰化申請のために請求する場合には、その手引きを読み込み、必要姓を理解し、不要なものは請求しないなどの慎重な姿勢が必要です。

ここでは、届出事項記載証明についての注意点を3つご紹介します。

注意点1 どこに請求するか?

出生届、死亡届、婚姻届、離婚届、親権者変更届、養子縁組届及び認知届の記載事項証明」をどこに請求したらいいのかは、各地の役所に事前に問い合わせしたほうがいいです。というのも、戸籍に関する書類は、「届出を受けた役所→本籍地の役所→管轄法務局」と回送されている可能性があるためです。

例えば、

2024年8月現在の長崎法務局では「死亡届など、市区町村に提出した戸籍の届書は、おおむね1か月間本籍地の市町村役場で保管された後、『本籍地』を所管する法務局・地方法務局で27年間保存されます。戸籍の届書には、個人情報が記載されているため、原則『非公開』です。しかし、法律等で「死亡届書の記載事項証明書を添付すること」とされている場合など『特別な事由』がある場合は、『利害関係人』に限り、証明書を請求することができます。」としています。

同じ時点で、東京法務局では、

【令和6年3月以降に提出された戸籍届書】
○届書記載事項証明書
戸籍届書を提出した市区町村に請求する必要があります。詳しくは、請求する市区町村にお問い合わせください。
○届書等情報内容証明書
戸籍届書を提出した市区町村もしくは提出したときの本籍地の市区町村に請求する必要があります。詳しくは、請求する市区町村にお問い合わせください。
※ 届書記載事項証明書と届書等情報内容証明書の内容は同一のものです。

【令和6年2月までに提出された戸籍届書】
○届書記載事項証明書
戸籍届書を提出したときの本籍地の市区町村を管轄する法務局(又はその支局)に請求する必要があります。

としています。

注意点2 戸籍があれば、記載事項証明書が不要な場合もある

なぜ、帰化申請に際し、各種届出の記載事項証明が求められるかといえば、一般的には、帰化を目指す方には戸籍がないからです。
帰化後に申請人の戸籍を作成する必要があるので、そのための各種情報が必要であると考えるとわかりやすい思います。

ただ、法務局の帰化申請の手引きや解説をよく読むと、「記載事項証明書が不要な場合」も明記されています。それは、帰化申請者の(元)配偶者が日本人の場合です。
無駄な書類集めを避けるため、読み落とさないようにしましょう。

東京法務局の解説を例にとります。

届書の記載事項証明書について
上記届出事項の記載のある日本の戸籍(除籍)謄本(全部事項証明書)を添付する場合は、原則として記載事項証明書の提出は不要です。
②上記届書は、届け出た市区町村役場に保管されますが、届出の種類によって保存期間が異なるため、届け出た市区町村役場に届書が保管されているかを確認してください。
③上記届書の記載事項証明書を取得することができない場合、受理証明書を取得してもらう場合がありますので、法務局の担当者の指示に従ってください。

具体的には、「配偶者が日本人の場合、婚姻や離婚の事実は、配偶者の戸籍に記録される」ので、婚姻や離婚の記載事項証明書はなくてもいいのです。

この記載は「韓国籍の方向け」の説明ですが、どこの国籍の方でも、この考え方は共通です。

注意点3 父母や兄弟の分も必要なケースがある

申請人の戸籍を新たに作るための情報収集ですので、父母や兄弟が、日本で「出生、婚姻、離婚、養子縁組等」をしている場合にも、「届出事項記載事項証明書」が必要なケースがあります。

参考 帰化の手引き7~8ページ  帰化の手引き2024

・出生届の記載事項証明書→本人・兄弟姉妹・子
・婚姻届の記載事項証明書→本人・父母
・離姻届の記載事項証明書→本人・父母
・死亡届の記載事項証明書→父母

参考 戸籍事項の届け出先

なお、出生届、死亡届、婚姻届、離婚届、親権者変更届、養子縁組届及び認知届の記載事項証明などの届け出は、届け時に住んでいた役所に届けることが多いと思いますが、戸籍法の原則は「第25条 届出は、届出事件の本人の本籍地又は届出人の所在地でこれをしなければならない。」ですので、本籍地または住所地に届出できます。具体的には以下の通りです。

出生届
子の出生地・本籍地又は届出人の所在地の市役所,区役所又は町村役場

婚姻届・離婚届
届出人の本籍地又は所在地の市役所,区役所又は町村役場

死亡届
死亡者の死亡地・本籍地又は届出人の所在地の市役所,区役所又は町村役場
※戸籍法第88条 死亡の届出は、死亡地でこれをすることができる。

親権者変更届
子の本籍地または届出人の所在地の市区町村役所
 ※戸籍法第51条 出生の届出は、出生地でこれをすることができる。

養子縁組届
養親または養子の本籍地または届出人の所在地の区市町村役場

認知届の届出
認知する父親若しくは認知される子どもの本籍地または届出人の住所地の市区町村役場

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