介護保険とは
介護保険は、社会保険の一つであり、2000年から施行された、社会全体で介護が必要な人を支える制度です。主として65歳以上の高齢者が介護を必要とする場合に、要介護・要支援の度合いに応じて保険が適用され、費用の原則1割負担で介護が受けられます。これは、外国人住民も対象となっています。
介護保険の運営者(保険者)は、市区町村です。被保険者は、65歳以上の第1号被保険者と、40歳から64歳までの方で医療保険に加入している第2号被保険者です。
介護保険サービスは、65歳以上の者は原因を問わず要支援・要介護状態となったときに、40~64歳の者は末期がんや関節リウマチ等の老化による病気が原因で要支援・要介護状態になった場合に、受けることができます。
◆自己負担割合
介護保険サービスを受ける場合の自己負担額は、通常1割ですが、65歳以上の方で「現役並み所得相当」の方の場合は、収入に応じて3~1割負担となります。
◆介護保険料
第1号被保険者の保険料は、市区町村の介護保険条例で被保険者の所得等に応じて決められており、健康保険料とは別に納入します。
第2号被保険者の保険料は、加入している健康保険ごとの計算方法により決まります。健康保険料と一緒に納め、社会保険診療報酬支払基金から保険者(市区町村)に公布されます。
介護保険の財源は、50%が被保険者の支払う介護保険料、25%が国庫、12.5%が都道府県、12.5%が市区町村で負担することになっています。
介護保険の基本的な考え方
①自立支援・・・単に介護を要する高齢者の身の回りの世話をするということを超えて、高齢者の自立を支援することを理念としています。
②利用者本位・・・利用者の選択により、多様な主体から保健医療サービス、福祉サービスを総合的に受けられる制度となっています。
③ 社会保険方式・・・給付と負担の関係が明確な社会保険方式を採用しています。
実際に介護が必要なとき
介護が必要になったときは、まず、市区町村に相談し、要介護(要支援)認定の申請を行います。申請ができるのは次の方です。
- 65歳以上の方(第1号被保険者)で、日常生活を送る上で、介護が必要になった方(原因は問いません)。
- 40歳から64歳までの方(第2号被保険者)で、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する病気(特定疾病)で、日常生活を送る上で介護が必要になった方。
なお、特定疾病以外(交通事故など)が原因で介護が必要になった場合は、介護保険の対象にはなりません。
◆要介護認定・要支援認定の申請と認定
要介護認定・要支援認定申請書は、市区町村の申請窓口やHPからダウンロードします。また、主治医がわかるもの(診察券など)も必要です。
主治医とは、介護が必要となった直接の原因である病気を治療している医師や、かかりつけ医など本人の心身の状況をよく理解している医師をいいます。
市区町村は、介護を必要とする原因疾患などについて記載した意見書の作成を主治医に依頼します。
申請の後、市区町村が委託した事業所の調査員または市区町村の職員が自宅を訪問し、心身の状況について本人や家族から聞き取り調査を行います。
全国共通の調査票にもとづき、調査員による基本調査、概況調査、特記事項の記入が行われます。
◆一次判定
認定調査の中の基本調査の結果はコンピュータ処理され、主治医意見書とともに、どのくらいの介護サービスが必要かの指標となる要介護状態区分が示されます。
◆介護認定審査会
コンピュータ判定(一次判定)の結果と、主治医意見書、訪問調査の特記事項をもとに、医療・保健・福祉の専門家で構成された介護認定審査会が審査し、どのくらいの介護が必要か(要介護状態区分)を判定します。
介護認定審査会の判定に基づいて、市区町村が認定し、結果通知と保険証が本人あてに送付されます。
◆厚労省HPより
介護サービスの種類
介護サービスは、大きく分けると①自宅にいて、または自宅から通って介護を受ける(居宅サービス)②施設に入所して介護を受ける(施設サービス)③介護を予防する(介護予防サービス)があります。
要介護・要支援のレベルに応じてケアプランをつくり、それぞれ利用することになります。
◆ 要支援
日常生活上の基本動作は、ほぼ可能だが、手段的日常生活動作に何らかの支援が必要な状態です。程度に応じて要支援1、2があります。
◆要介護
日常生活上の基本動作で何らかの介護が必要な状態です。程度に応じて、要介護1から5まであります。
※厚労省HPより