家族信託 | 検討から開始までの流れ / 杉並区の行政書士が解説します

家族信託が開始されるまでの標準的な流れをご説明します。想定は、典型的な家族信託です。「高齢となった親の生活の安心を目的にして、親名義の自宅不動産と金銭を一人の子供に信託する」というケースです。

このとき、一般的には、家族信託の専門家に相談しながら進め、契約は公正証書とします。
信託の目的や内容が異なる場合は、この流れが変わることもありますので、ご留意をお願いします。

一般社団法人家族信託普及協会正会員の杉並区の行政書士中村光男が解説します。

手順1 専門家へ相談

委託者と受託者、その他家族で、専門家(行政書士、弁護士、司法書士等)に相談するところからスタートします。専門家は、ご家族の構成・財産・心配事・将来プランをヒアリングしたうえで、家族信託の概要と他の制度利用の場合との比較をご説明します。

手順2 家族会議の開催

専門家への相談事項とアドバイスを踏まえ、信託当事者以外の相続人も加えて家族会議を開きます。将来の家族の紛争の種が残らないように、現状と心配事、それぞれのプランを家族全員で話し合います。家族会議で、結果として家族信託を選ばなかったとしても、想いの共有化は大変意義のあることです。

手順3 専門家へ依頼

家族会議で、家族信託を進めることになったら、専門家から業務報酬の見積もりをとって検討し、業務委託契約を締結します。
なお、この段階で、信託財産を管理する口座を開く銀行を探し、その金融機関では、どのような口座開設手続きが必要なるかを確認しておくのが良いです。その後の契約書案の作成等の流れがスムーズになりますので。この点も専門家に確認をしてみてください。

手順4 信託契約書案の作成

専門家から、信託契約書の原案が作成されてきます。家族の構成・資産・ライフプラン等はご家族ごとに異なるので、信託契約は家族ごとに違います。何回かにわたり、条文ごとに、専門家の説明を確認しながら、必要な修正を加えましょう。こうして、家族のプランにぴったりな信託契約を作成します。

手順5 金融機関の審査

金融機関によっては、信託専用口座を開設するためには、信託契約書の内容を審査されることがあります。金融機関の基準によって、この段階で、信託契約書の修正要請があることもあります。

信託専用口座としては、「委任者A受託者B」などの委託者・受託者双方の名前が表示され、受託者の個人預金とは銀行システム上も区別されるのが望ましいです。そうではなくて、単に「受託者Bの信託専用口座」という「屋号付き口座」もあります。この場合は、受託者の個人口座です。どちらなのかは、金融機関に確認が必要です。
後者であっても、家族信託ができないことはないです。ただ、財産分別管理のために、信託契約で第二受託者を決めておくなどの手当てが必要かもしれません。この点は、専門家に相談します。

手順6 公証人役場への信託契約書の提出し「確認」を受ける

公証人役場へ信託契約書を提出し、公証人の確認を受けます。
なお、家族信託は必ず公正証書にすることが法的な条件とはなっていません。しかし、金融機関が公正証書にすることを条件とする場合があります。また、公証人による確認のプロセスを経ておくことで将来的な家族間のトラブルの予防効果があります。このため、家族信託契約は公正証書にしておくことが通常です。

手順7 信託契約の締結

信託契約書の公証人による確認が終了したら、予約を入れたうえで、委託者・受託者が公証人役場を訪問して、公証人の面前で契約を締結します。これにより、家族信託が法的に有効になります。

手順8 信託口座の開設

次に、信託した金銭を管理する信託専用口座の開設を行います。手順5ですでに金融機関の審査は通っていますので、受託者が公正証書にした信託契約書を持参し、金融機関を訪問すれば、口座開設できます。ただ、金融機関によって委託者の同行も必要な場合もあり得るので、事前に確認をしてください。

手順9 信託金銭の払込・信託登記

信託専用口座を開設したら、委託者が、信託契約で定めた金銭を委託者の口座から受託者の信託専用口座に振り込みます。信託した自宅についても、受託者名義とする信託登記手続きをします。

手順10 信託の開始

受託者は、信託契約書に従って、信託された金銭や委託者の自宅不動産を管理していきます。また、信託契約に記載された目的(親の老後の安心等)のために、施設入居などの目的で必要な場合には、自宅の処分も可能となります。

 

参考:家族間契約の知識と実践(日本法令)
信託口口座開設案内 西武信金 多摩信用金庫 三十三銀行資料

 

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