
今回は、日本国籍がない方でも、日本人の実子として「日本人の配偶者等」の在留資格を取得し、日本で老後を過ごす方法についてご紹介します。
1. 就労に制限のない在留資格のメリット
まず、「日本人の配偶者等」の在留資格は、通常の就労系在留資格に比べて非常に大きなメリットがあります。それは、この在留資格には就労に関する制限がないことです。これにより、日本で様々な職業に就くことができ、自由に働くことが可能となります。特に、退職後のセカンドキャリアを考えている方やパートタイムで働きたい方にとっては、大きな利点となります。
2. 親が死亡していても取得可能
「日本人の配偶者等」の在留資格は、親が死亡している場合でも取得することができます。これは非常に重要なポイントです。多くの方が、「親が既に亡くなっている場合、自分は日本に住むことができないのではないか」と不安に感じるかもしれませんが、その心配は不要です。実際、日本人の親が死亡していても、その子供として在留資格を取得することが可能です。
3. 在留資格「日本人の配偶者等」の要件
この在留資格を取得するための主な要件は以下の通りです:
- 日本人の実子であること:申請者が出生時にその父母のどちらかが日本国籍を有していることが必要です。これにより、日本人の親が亡くなっていても、その実子である限り在留資格を申請する権利があります。
- 経済的安定:日本の滞在費を賄ってくださる親族等の収入がしっかりと証明できること、または申請者において日本での生活を継続できる程度の経済的安定が必要です。具体的には、収入や貯蓄が十分であることが求められます。これは、日本での生活を円滑に進めるために重要な要件となります。
手続きの流れ
- 必要書類の準備(在留資格認定証明書交付申請の場合):
- 申請書
- 写真(3cm×4cm)
- 日本人親の戸籍謄本又は除籍謄本(全部事項証明)1通
- 出生に関する証明
(1)日本で出生した場合
次のいずれかの文書 1通(発行から3か月以内)
①出生受理証明書
②認知届受理証明書(届けをした場合)
(2)海外で出生した場合
次のいずれかの文書 1通①出生国の機関から発行された出生証明書 ② 出生国の機関から発行された申請人の認知に係る証明書(認知 に係る証明書がある方のみ) (3)特別養子の場合
次のいずれかの文書 1通
①特別養子縁組届出受理証明書
②日本の家庭裁判所発行の養子縁組に係る審判書謄本及び確定証明書 - 経済的安定を証明する書類(収入証明書や預金残高証明書など)
※原則は日本の滞在費を賄う方の収入証明が必要です。
日本での滞在費用を証明する資料(1) 申請人の滞在費用を支弁する方(複数の方が扶養する場合は収入の多い方)の直近1年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通 ※ 1月1日現在お住まいの市区町村の区役所・市役所・役場から発行されます。 ※ 1年間の総所得及び納税状況(税金を納めているかどうか)の両方が記載されている証明書であれば、いずれか一方でかまいません。 (2) その他 ※ 入国後間もない場合や転居等により、(1)の資料で滞在費用を証明できない場合は、以下の資料などを提出して下さい。 a 預貯金通帳の写し 適宜 ※ Web通帳の画面の写し等(取引履歴が分かるもの)であっても差し支えありません。 ただし、加工等できない状態で印刷されたものに限ります(Excelファイル等は不可)。 b 雇用予定証明書又は採用内定通知書(日本の会社発行のもの) 適宜 c 上記に準ずるもの 適宜 - 身元保証書 1通
※ 身元保証人には、日本に居住する日本人(子の親又は養親)等になっていただきます - 住民票(世帯全員の記載があるもの) 1通 ※住民票がある場合
※申請人の方が未成年の場合は、扶養者の方の住民票 ※申請人の方が成人している場合は、本邦における同居者の住民票 ※個人番号(マイナンバー)については省略し、他の事項については省略のないもの 。 - 「在留資格変更許可申請」「在留資格取得許可申請」の場合は下記URLご参照
<参考URL> 出入国在留管理庁(「在留資格「日本人の配偶者等」(外国人(申請人)の方が日本人の実子・特別養子である場合)」)https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/spouseorchildofjapanese02.html
2.在留資格認定証明書の申請:
上記の書類を揃え、出入国在留管理庁に提出します。
3.ビザの申請:
在留資格認定証明書が発行されると、それを持って日本の大使館や領事館でビザを申請します。
結論
日本人の実子として、日本で老後を過ごしたいと考えている方にとって、「日本人の配偶者等」の在留資格は非常に有利な選択肢です。親が死亡している場合でも、この資格を取得することが可能であり、就労に制限がないため、自由な生活設計が可能です。具体的な手続きや要件については、専門の行政書士にご相談ください。
参考リンク:
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