「建設キャリアアップシステム」(Construction Career Up System:CCUS)は、建設業界特有のユニークなものです。簡単に言えば、クラウド上に、建設業の技能者の資格、社会保険加入状況、現場の就業履歴等を業界横断的に登録・蓄積する仕組みです。
CCUSは、国と建設業界が総力を挙げて取り組んでいる「建設業だけの人を大切に育てる」新しい仕組みです。
背景
建設技能者は、異なる事業者の様々な現場で日々働いているため、個人を 能力評価する業界横断的な統一の仕組みが存在せず、本人のスキルアップが処遇の向上にはつながっていかないという業界の構造的な問題があります。そのため、若い世代の技能者が希望をもってキャリアを積めるように、キャリアの登録システムが開発されました。
制度発足から5年たった2024年現在、CCUSに登録している技能者(職員)の数は約140万人(全体は約300万人)、事業者は25.6万社(全体の約50%)、1か月の平均タッチ数(現場での登録数)は約450万タッチとされています(2024年2月)。
CCUSの概要
- 確認したうえでシステムに登録し、IDが付与されたCCUSカードを交付することがスタートになります。
- その上で、いつ、どの現場に、どの職種で、どの立場(職長など)で働いたのかを就業履歴として電子的に記録・蓄積します。
- 並行して資格の取得や講習の受講履歴など、技能・研鑽の記録を登録します。
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登録方法
申請方法は、インターネット申請と窓口(認定登録機関※要予約 )申請の2つの方法があります。
登録は、事業者登録⇒事業者ID取得⇒技能者登録の順番が推奨されています。
なぜならば、技能者登録のためには、所属事業者名と事業者IDの入力が必要だからです。
技能者(職人)の所属事業者の情報が登録されないと、就業履歴が正しく蓄積できません。
<事業者登録>
簡単なYouTubeマニュアルがあります。
※料金
事業者は規模(資本金)に応じた登録料(5年更新)とシステム利用料がコストです。システム利用料は全事業者が負担する管理者ID利用料(1IDごとに11,400円、一人親方の方は2,400円)と元請事業者(現場を登録する事業者)が負担する現場利用料(就業履歴1件ごとに10円)になります。一人親方は事業者としても登録しますが、登録料は無料です。
<技能者登録>
技能者登録は「簡略型」と「詳細型」の2段階の登録方法があります。
・簡略型:技能者の本人情報など基本情報の登録のみでカードが発行される
・詳細柄登録:技能者の能力評価(レベル判定)の申請に必要な保有資格情報等を登録できる。
※料金
簡略型 登録料2,500円、詳細型 登録料4,900円
CCUSのメリット
CCUSは、建設業界が新3K(給与が良く、休暇がとれ、希望が持てる)の業界となるための切り札の一つとされています。
CCUSでは、特に、若い世代がキャリアパスや処遇の見通しをもてることがメリットとされています。
建設業の技能者にとって、CCUSを登録するメリットを実感していただくため、国土交通省は、CCUS レベル別年収を2023年6月に公表しました。
また、建設事業者から見ても、CCUSに登録することで、社員が集まりやすくなり、働きやすくなるというメリットがあるとされています。経営事項審査において、を活用した元請事業者に対し利用状況に応じて10~15点の加点措置が導入されるなど、国による各種支援策も打ち出されています。
【参考HP】
国交省ポータルサイト 「建設キャリアアップシステム」
建設キャリアアップシステム
登録関係資料
建設キャリアアップシステム(CCUS)におけるレベル別年収の公表
CCUS登録行政書士
建設キャリアアップシステムの運営状況について