技能 在留資格 行政書士中村光男事務所

特定技能「外食業」の新規受け入れが停止された――そんなニュースが2026年3月末に流れ、飲食業界に大きな衝撃を与えました。では、中華料理店などで中国人コックを海外から呼ぶ場合、この停止措置の影響を受けるのでしょうか。

結論から言えば、影響はありません。ただ、その理由を正しく理解しておくことが大切です。

特定技能「外食業」の停止とは何か

農林水産省と出入国在留管理庁は2026年3月27日、特定技能「外食業」の受け入れを4月13日から停止すると発表しました。在留者数が急増し、上限の5万人に達する見込みとなったためです。 Nikkei

この停止は、政府が定めた2024年度から2028年度の5年間の上限数である5万人を超える見込みとなったことが理由で、試験再開のめどは現時点で示されていません。 Otaff1

出入国在留管理庁によれば、4月13日以降に受理した申請は原則として不許可となります。ただし、すでに外食業分野で特定技能1号として在留している方からの転職等に伴う申請は通常どおり審査されます。 Ministry of Justice

「特定技能」と「技能」は全く別の在留資格

ここで重要な整理をしておきます。「特定技能(外食業)」と、外国料理の調理師が取得する「技能」は、名前は似ていますが、まったく別の在留資格です。

特定技能(外食業) 技能(外国料理調理師)
対象 外食業全般(日本料理含む) 外国料理の専門調理師
経験要件 試験合格で可(経験不問) 10年以上の実務経験
業務範囲 調理・接客・店舗管理など全般 調理のみ
人数上限 あり(5万人で停止) なし
家族帯同 1号は不可 可能

今回停止されたのは「特定技能(外食業)1号」の新規受け入れです。「技能」の在留資格には人数上限がなく、今回の措置は適用されません。

「技能」ビザは引き続き申請できる

外国料理の本格的な調理師を海外から招く場合は、これまでどおり「技能」の在留資格認定証明書(COE)を申請できます。ただし、「技能」には独自のハードルがあります。

  • 招く料理人に10年以上の実務経験があること
  • 本格的な外国料理を提供する店であること(ラーメン・餃子専門店などは対象外)
  • 雇用側の会社設立・メニュー・スタッフ体制・厨房設備が整っていること

これらの要件を満たせば、特定技能の停止とは無関係に申請を進めることができます。

今回の停止が示すもの――「技能」ビザの相対的な価値

特定技能「外食業」は、宿泊業や農業などの他分野と比べて移行率が圧倒的に高く、この2年で採用競争が激化していました。今回の停止は、人気分野ゆえの結果とも言えます。 Gf-support

裏を返せば、特定技能が使えなくなった今、本格的な外国料理の専門シェフを呼びたい経営者にとって「技能」ビザの重要性はむしろ高まっています。特定技能と異なり、「技能」は調理専門のプロを迎えるための在留資格であり、本格的なレストランを開きたいオーナーにとっては本来こちらが主軸となるべきルートです。

ただし、特定技能の停止をきっかけに「技能」への申請が増える可能性もあり、今後審査が厳格化されることも考えられます。要件を正確に把握した上で早めに準備を進めることが望ましいと言えます。

まとめ

特定技能「外食業」の新規受け入れ停止は、外国料理の調理師ビザである「技能」には直接影響しません。両者は制度の目的も要件も異なる、別の在留資格です。中華料理などの本格的な専門料理人を中国から招く場合は、「技能」ビザのルートで引き続き申請が可能です。ただし、要件が厳しいビザであることに変わりはなく、実務経験の証明や店舗・メニューの準備を含め、早い段階から専門家に相談しながら進めることをお勧めします。

参考⇒ 行政書士中村光男事務所HPニュース「特定技能「外食業」の新規受け入れが停止されました

中村光男

この記事を書いた人

行政書士中村光男事務所 代表 中村光男(行政書士・防災士・AFP)

東京都杉並区 TEL 03-6356-3571

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