一般社団法人と公益社団法人の違いはなんでしょうか。
一般社団法人のうち、特に公益性が高い法人が、公益財団法人となります。一般社団法人設立後に公益認定を受けることによって公益社団法人の設立が可能になります。 かつて存在した社団法人という法人格は無くなり、一般社団法人と公益社団法人の二段階方式の法制度になっているのです。
2008年の公益社団法人改革とは
民法によって設立されていた社団法人、財団法人など、公益に関する非営利を目的とする法人について、その設立、運営等のしくみが、2008年12月1日から抜本的に改正されたことをさします。
改革の目的は、（1）民間による非営利目的の活動の発展を促進すること、（2）従来の民法法人制度の問題点（主務官庁の裁量の不透明性、天下り防止など）を解決することでした。
この改革によって、従来の民法法人制度が採用していた許可主義（主務官庁の許可によって設立、免許主義ともいう）が、準則主義（遵守すべき法規に適合すれば当然に法人格を付与）に改めらました。
同時に、新しい制度によって設立された法人（一般社団法人または一般財団法人）のうち、公益性について一定の要件を満たすことが認定されたもの（公益社団法人または公益財団法人）については税制上「特定公益増進法人」として優遇される措置も定められました。
これによって、従来の社団法人及び財団法人は廃止され、特別の法律によらない一般的な法人は、一般社団法人または一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人の4つに分類されることとなったのです。
そもそも「社団」とは？「社団法人」とは？
「社団」とは、特定の目的を持つ個人が集まって形成する団体のことです。複数の人々が結合して団体を構成し、共通の目的のために活動します。「社団法人」は、その団体が法人格を持ち、法的に認められた団体を指します。
「法人格」とは
「法人格」とは、法的に一個の独立した主体として認められる資格を指します。法人格を持つことで、その団体は契約を結んだり、財産を保有したり、訴訟の当事者になることが可能です。法人格を持つ団体は、個人とは別の「人格」として扱われます。
「社団法人」という法人名は無くなった？
2008年の改革以降、「社団法人」という名称は法的には廃止されました。従来の社団法人は「一般社団法人」と「公益社団法人」のいずれかに移行しました。
社団法人は「一般社団法人」と「公益社団法人」の２つに分かれた
改革の結果、旧「社団法人」は「一般社団法人」と「公益社団法人」の2つに分かれました。一般社団法人は非営利の活動を目的とし、公益社団法人は公益目的に限定された活動を行います。
一般社団法人は設立しやすくなった
一般社団法人は、社員2名以上がいれば設立可能で、営利目的でない団体として活動できます。設立時に行政の許可を必要としないため、非常に設立がしやすくなりました。
・一般社団法人は「非営利法人」ではありますが、公益性を求められてはいません。 基本的には法人の自由で公序良俗に反しない限りはどのような事業でも行うことができます。株式会社のように収益事業のみを目的として設立することも可能です。
・「営利」とは、構成員に剰余金を分配することを意味します。 一般企業のように事業で利益をあげて、その利益を株主に分配するのが「営利法人」です。事業で収益をあげてもいいが、構成員に還元はしてはいけませんといういうことです。
公益社団法人の設立は事実上難しい
公益社団法人は、公益認定等委員会による厳しい審査を経て、公益認定を受ける必要があります。この審査基準が非常に厳しく、公益活動が確実に行われることを証明しなければならないため、設立は難しいとされています。
公益社団法人とは？
公益社団法人は、一般社団法人のうち、公益性の高い活動を行うと認められた法人です。公益目的に沿った事業を行うことで、税制優遇などの特典を受けられますが、公益認定を維持するために厳格な監督下に置かれます。
まとめ
2008年の公益法人改革により、旧「社団法人」は「一般社団法人」と「公益社団法人」に分かれ、特に一般社団法人は設立が容易になりました。一方、公益社団法人は、公益性を厳しく審査されるため、設立は難しくなっています。この改革により、公益活動を行う法人に対する監督が強化されました。
参考 法務省 一般社団法人及び一般財団法人制度Ｑ＆Ａ
行革HP 公益社団改革の概要（PDF）
行革HP 公益法人の改革について
行政書士中村光男事務所について
