外国からの出資と外為法 事前届出の義務を負うのは誰か

外国の投資家から出資を受けるとき、会社法上の手続とは別に、外為法にもとづく手続が必要になることがあります。しかもこの手続、義務を負うのは出資を受ける会社ではありません。今回は、対内直接投資審査制度の全体像と、誰が何をしなければならないのかを整理します。

対内直接投資審査制度とは

外為法は、外国投資家が一定の業種を営む日本企業に投資しようとする場合に、投資を実行する前に届け出ることを義務づけ、国の安全等の観点から審査する仕組みを設けています。これが対内直接投資審査制度です。

制度全般の調整は財務省が担当し、業種ごとの審査は経済産業省をはじめとする各事業所管省庁が担当します。届出の対象となる業種は「指定業種」と呼ばれ、告示で定められています。その数はおよそ180業種にのぼります。

なお2020年の改正で、上場会社の株式取得についての基準が10%から1%に引き下げられました。かつてよりも対象は広くなっています。

義務を負うのは投資家であって、会社ではない

ここが誤解されやすいところです。事前届出も事後報告も、義務を負うのは外国投資家です。出資を受ける日本の会社ではありません。届出は日本銀行を経由して、財務大臣および事業所管大臣あてに提出します。

とはいえ、判断の材料を持っているのは会社側です。どんな事業を営むのか、どんな製品や役務を扱うのかを知っているのは会社であって、投資家ではありません。そのため実務では、会社が自社の事業内容を整理して投資家に渡し、投資家がそれをもとに届出の要否を決める、という流れになります。

「うちの手続ではないから」と会社が関与しないでいると、投資家が届出を出さないまま資金が動いてしまう、ということが起こり得ます。義務の所在と、実際に動くべき人は別だと考えておいたほうがよいでしょう。

事前届出が必要になる場面

株式の取得だけが対象ではありません。おおむね次のような場面が対象になります。

  • 上場会社の株式または議決権を1%以上取得する場合
  • 非上場会社の株式を1株以上取得する場合(端株を含む)
  • 外国投資家またはその関係者が役員に就任することに、株主総会で同意する場合
  • 指定業種に属する事業の譲渡や廃止を提案し、または同意する場合
  • 指定業種に属する事業を外国投資家が承継する場合

非上場会社については1株からが対象です。少額だから関係ない、という整理は成り立ちません。

事前届出と事後報告、投資禁止期間

営む事業がどの区分に入るかで、必要な手続が変わります。

とはいえ、判断の材料を持っているのは会社側です。どんな事業を営むのか、どんな製品や役務を扱うのかを知っているのは会社であって、投資家ではありません。そのため実務では、会社が自社の事業内容を整理して投資家に渡し、投資家がそれをもとに届出の要否を決める、という流れになります。

「うちの手続ではないから」と会社が関与しないでいると、投資家が届出を出さないまま資金が動いてしまう、ということが起こり得ます。義務の所在と、実際に動くべき人は別だと考えておいたほうがよいでしょう。

事前届出が必要になる場面

株式の取得だけが対象ではありません。おおむね次のような場面が対象になります。

  • 上場会社の株式または議決権を1%以上取得する場合
  • 非上場会社の株式を1株以上取得する場合(端株を含む)
  • 外国投資家またはその関係者が役員に就任することに、株主総会で同意する場合
  • 指定業種に属する事業の譲渡や廃止を提案し、または同意する場合
  • 指定業種に属する事業を外国投資家が承継する場合

非上場会社については1株からが対象です。少額だから関係ない、という整理は成り立ちません。

事前届出と事後報告、投資禁止期間

営む事業がどの区分に入るかで、必要な手続が変わります。

財務省は違反等のモニタリングを行っており、情報提供の窓口も設けています。うっかりしていた、では済まない領域だと考えておくべきでしょう。

まとめ

外国からの出資を受け入れる場面では、会社法上の手続と並行して、外為法の確認が必要になります。届出の義務を負うのは外国投資家ですが、判断の材料をそろえられるのは会社です。そして、その判断の入口にあるのが「自社の事業が指定業種、さらにコア業種に当たるかどうか」という問題になります。

次回は、この該当性を誰がどうやって確かめるのかを取り上げます。

参考

中村光男

この記事を書いた人

行政書士中村光男事務所 代表 中村光男(行政書士・防災士・AFP)

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