「自分も副業でやっているけど、まさか許可が必要だとは思わなかった」——そう感じた方も多いかもしれません。フリマアプリでの転売が古物営業に当たるとして、実際に書類送検された事例があります。
ファッション業界を揺るがした書類送検事件
2021年、アパレルブランド「コム・デ・ギャルソン」の社員が、古物商許可を取得せずにブランド品をフリマアプリやネットオークションで反復継続的に転売したとして、古物営業法違反で書類送検されました(WWDジャパン報道)。
この件について専門家は、問題の核心は転売行為の「営業性」にあると指摘しています。継続的に繰り返し行われているかという点が古物営業に当たるかどうかの判断基準になり、営利目的で中古品を扱う場合は警察署に古物商の許可を得る必要がある WWDJAPANというわけです。
一方で、フリマアプリはあくまで「不要になった私物」の売却のみを行っているという前提で、「仕入れ・転売という連続性」がなく、規制対象である「営業」になっていないものが大多数 WWDJAPANとも説明されています。つまり普通に不用品を売っている分には問題ないのですが、「仕入れて売る」という構造が生まれた時点で話が変わります。
そもそも「古物」って何?
古物営業法でいう古物とは、一度誰かの手に渡った物品のことです。衣類、バッグ、時計、貴金属、スマートフォン、ゲーム、自転車など、中古品として想像できるものはほぼ該当します。未使用でも、一度売買されたものであれば古物になります。
自分の不用品を売るなら許可は不要
自分が使っていた物を処分するためにフリマアプリに出品するのは、古物営業には当たりません。クローゼットに眠っていた服、使わなくなった家電、読み終わった本——これらを売るのは自由です。許可は不要です。
問題は「仕入れて売る」行為
許可が必要になるのは、利益を得る目的で古物を仕入れ、反復継続して売買する場合です。いわゆる「せどり」や「転売」がこれに当たります。
具体的にはこんなケースです。
- リサイクルショップやオークションで安く仕入れてフリマアプリで高く売る
- フリマアプリ同士で差額を稼ぐ(メルカリで仕入れてヤフオクで売るなど)
- 知人から古物を買い取って転売する
- ジャンク品を仕入れて修理・修繕して販売する
「副業で月に数万円稼いでいる」という方は、すでに古物営業に該当している可能性があります。
無許可でやっていたら?
古物営業法第3条は、古物商を営むには公安委員会の許可が必要と定めています。無許可で営業した場合、3年以下の懲役または100万円以下の罰金という刑事罰が定められています。
「フリマアプリで稼いでいただけなのに」では済まないケースがあります。税務署への申告と合わせて、許可の必要性も確認しておく必要があります。
許可の取り方
古物商許可は、営業所の所在地を管轄する警察署に申請します。東京都の場合、申請手数料は19,000円です。
申請には、住民票・身分証明書(市区町村発行のもの)・略歴書などの書類を揃える必要があります。法人の場合は定款や登記事項証明書なども必要になります。申請から許可が下りるまで、おおむね40日前後かかります。許可が下りる前に営業を始めることはできませんので、転売を始めようとお考えの方は早めに動くことをお勧めします。
書類の準備や申請手続きは、行政書士に依頼することができます。
まとめ
フリマアプリでの売り買いが古物営業に当たるかどうかは、「自分の不用品処分か」「仕入れて転売しているか」で大きく変わります。継続的に仕入れと販売を繰り返している場合は、古物商許可が必要になる可能性が高いです。ブランド社員の書類送検という実例が示すとおり、会社員の副業であっても例外ではありません。心当たりのある方は一度確認することをお勧めします。
書類の準備や申請手続きは、行政書士に依頼することができます。→ 古物商許可の申請代行についてはこちら
申請から許可が下りるまで、おおむね40日前後かかります。許可が下りる前に営業を始めることはできませんので、転売を始めようとお考えの方は早めに動くことをお勧めします。
この記事を書いた人
行政書士中村光男事務所 代表 中村光男(行政書士・防災士・AFP)
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